来年度予算案「生活者に応えた内容と言えない」

2016年12月26日 08:09

 連合の逢見直人事務局長は一般会計総額97兆5000億円とする政府の29年度予算案(閣議決定)について「貧困や格差拡大など、深刻な課題を是正する姿勢が不十分で、生活者・働く者の声に応えた内容とは言えない」とのコメントを出した。

 逢見事務局長は「29年度予算案の社会保障費をみると、医療・介護に係る高齢者の自己負担の引き上げ、介護保険料の総報酬割の段階的導入、後期高齢者医療制度の保険料負担軽減措置の段階的縮小、高額薬剤の薬価引き下げなどで、自然増を約1400億円分抑制する内容となっている」とし「高齢者の暮らしへの深刻な影響や介護離職の増加をもたらさないか、丁寧に検証していくよう」求めている。

 また、子ども子育て支援については「地方分を含め6958億円が計上されたが、政府が財源確保に最大限努力するとした1兆円程度には届いていない。介護・保育サービスを担う職員の処遇改善についても、それぞれ289億円、544億円にとどまり、全産業平均との賃金差を解消するには不十分な内容」とした。

 教育関係予算では「高等教育における給付型奨学金の新設のために、先行実施分として70億円が計上された。給付型奨学金の新設自体は前進だが、規模は約3000人分と極めて小さく、貧困の連鎖を解消するための対策としては全く不十分」と拡充を求めている。(編集担当:森高龍二)