日本経済団体連合会の榊原定征会長は1日、新年メッセージを発表し「GDP600兆円経済への確固たる道筋をつける」と発信した。
榊原会長は「世界の政治経済情勢は保護主義の台頭やナショナリズム志向の広がりが懸念される中、先行き不透明感を増している」とし「このような時にあって、わが国は先頭に立ち、自由で開かれた国際経済秩序を維持・発展させ、世界経済の成長を牽引していかなければならない」と日本が世界を牽引していくべきだと強調した。
また「政権基盤が安定している今こそ、社会保障制度改革や財政健全化、抜本的な規制改革など国民の痛みを伴う改革に真正面から取り組むべき」とも提起した。
そのうえで「経団連としても、政治との連携を一層強化しながら、デフレ脱却と経済再生を確実に実現し、GDP600兆円経済への確固たる道筋をつけるため、主体的に取り組む」としている。
具体的には、政府の日本再興戦略2016の「官民戦略プロジェクト10」の実現に取り組む。また消費マインド喚起策の一環として「プレミアムフライデー」を実施し、働き方を見直しつつ消費を楽しむことを促していくとしている。
また経済外交を積極的に展開するとし、米国については現地事務所を拠点に新政権や議会との関係を構築し、経済関係の強化を図る。TPP協定発効を目指し、経済的・戦略的意義を訴えていくとしている。
榊原会長は、2020年のオリンピック・パラリンピックに触れ「開催成功に向けて、国民のムーブメント醸成および全国的なレガシー形成を支援する」としている。(編集担当:森高龍二)