防衛省は5日、オスプレイの不時着事故を受け停止していた米軍による空中給油を「米軍が6日から再開する」と発表した。「安全に空中給油を再開する準備は整ったものと考えられる」と米国側の安全対策に理解をしたもの。
これは昨年12月13日午後9時30分頃、沖縄県名護市東海岸沖合で、米海兵隊普天間基地所属のオスプレイ1機が空中給油を終えた直後に給油ホースとオスプレイのプロペラを接触させてしまい、ブレード(羽)を損傷。浅瀬に不時着したもの。
この事故を受け、米側から空中給油機及びオスプレイの搭乗員全員に対し天候や飛行条件を事故が発生した時と同じものに設定した上、同様の事故が生じないよう、空中給油についての手順を確認し、地上のシミュレーターを用いて空中給油のシミュレーション等を実施したほか、搭乗員全てが空中給油に必要な教育・訓練を通じ習熟したことを確認した上で飛行日程を組むこととする、また、空中給油の専門家により、風及び乱気流の影響、安全に給油を行うための飛行速度、空中給油を受けて帰投するのに最適な燃料の量、給油ホースに接触した同様の事例からの教訓について詳細な教育が行われたなどの報告があった。
防衛省は米側が接触を引き起こした可能性があるとして指摘された要因に対し有効であると思われる対策を幅広くとっているものと考えられるとしたほか、天候や飛行条件を事故が発生した時と同じものに設定した上、空中給油についての手順を確認し、地上のシミュレーターを用いて空中給油のシミュレーション等を実施したことは事故の再発防止に有効であったと考えられるなどとし、「安全に空中給油を再開する準備は整ったものと考えられる」と判断したとしている。
また「米側から空中給油は日本の防衛とアジア・太平洋地域の平和と安定にとって欠くことのできない活動であり、搭乗員は空中給油の実施により、その技能と練度を維持する必要があるとの説明を受けており、空中給油の重要性を理解する」と空中給油の再開を認めた。(編集担当:森高龍二)