【今週の振り返り】トランプ氏の正体みたりで167円下落した週

2017年01月14日 20:19

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当選後、安倍首相が真っ先にはせ参じたのに、大統領就任直前の初めての記者会見の場で、メキシコ、中国と並べられて日本も、トランプ政権の貿易政策〃仮想敵国〃認定。

 昼休みに円安がさらに進行してドル円は115円台に乗せ、後場は先物主導で日経平均が3ケタ高になり高値を更新して再開。19300円にあと64銭まで接近するなど19200円台後半で推移する。自動車など輸出関連セクターが上昇。2時前に19250円を割るっても2時台には持ち直す。2時に東京商工リサーチが12月の企業倒産件数を発表し、前年同月比+2%で4ヵ月ぶりの増加。増えたのはサービス業、建設業、卸売業など6業種。大型倒産がなく負債総額は-55%減。2016年通年の企業倒産件数は前年比-4%の8446件で、8年連続で前年を下回ってバブル経済の絶頂期1990年以来26年ぶりの低水準。負債総額は5%減の2兆61億円で前年比マイナスだった。終盤は日経平均が少し上昇して19287円で大引けになった。

 「御三家」の一角ファーストリテイリング<9983>の9~11月期決算の営業利益は+17%増でも市場予測を下回った。9月、10月の高温で秋冬物の出足が鈍く11月の「ユニクロ感謝祭」でも巻き返せなかったという。株価は1.10%高。午後に新型ゲーム機「Nintendo Switch」の発表会があった任天堂<7974>は5.75%安で値下がり率4位。「ひなまつり」の3月3日発売だが男子も買える。発表後の下落ぶりは定価29980円が「高すぎる」という反応か? 「同時発売のソフトが少ない」という反応か? タカタ<7312>は欠陥エアバッグ問題でアメリカ司法省と和解金10億ドルで和解する見通しになりストップ高の16.47%高で値上がり率1位。何をされるかわからない政権に交代する前に幕引きをしたほうが賢明という判断か?

 アメリカのマクドナルドが、50%保有している日本マクドナルドHD<2702>株を売却し保有比率を33%まで下げるとウォールストリートジャーナルが伝え、日本マクドナルドHDは0.82%安。かつて「ドナルド・トランプ」を景品につけたことがあるが、保有株売却は「アメリカ・ファースト」と直接関係はない。千葉県柏市が本社のディスカウントスーパーのジェーソン<3080>は、前日発表された決算は悪くなかったが5.11%安。「13日の金曜日」に売って、2日早い「魔除けの護摩焚き」か?

 日経平均終値は152.58円高の19287.28円、TOPIX終値は+9.48の1544.89。売買高は16億株でマイナーとはいえSQ日らしからぬ薄商い。それでも売買代金は2兆2566億円。値上がり銘柄数は1211、値下がり銘柄数は613。プラスは30業種で、その上位は決算が好感された小売、生前退位・新元号関連のパルプ・紙、電気・ガス、精密機器、石油・石炭、ゴム製品など。マイナスは任天堂が属するその他製品、非鉄金属、鉄鋼の3業種。上海総合指数は0.2%安だった。

 今週の星取は2勝2敗。前週末6日の終値19454.33円から167.05円下落して今週の取引を終えた。11日の当選後初の記者会見の前は様子見に支配され、会見直後は乱高下し、その後はトランプ・ラリーの上昇相場を清算するかのような下げに見舞われるなど、マーケットはトランプ次期大統領を中心に全てが回っていたような週だった。これから最短でも4年間、世界はこの男の顔と発言とツイートと政策に、付き合っていかねばならない。(編集担当:寺尾淳)