文科省再就職あっせん問題、徹底解明し公表を

2017年01月28日 12:40

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民進党の小川淳也議員は27日の衆院予算委員会で、文科省の組織ぐるみによる再就職あっせん問題に「最大の問題は『もぐり』であっせんしていたことだ」と指摘し「水面下でOBを活用し、虚偽の回答をし、相手方に口裏合わせまで依頼していた。悪事の限りを尽くしていた」と組織的で、かつ悪質であると指摘した

 民進党の小川淳也議員は27日の衆院予算委員会で、文科省の組織ぐるみによる再就職あっせん問題に「最大の問題は『もぐり』であっせんしていたことだ」と指摘し「水面下でOBを活用し、虚偽の回答をし、相手方に口裏合わせまで依頼していた。悪事の限りを尽くしていた」と組織的で、かつ悪質であると指摘した。松野博一文部科学大臣には問題を徹底解明し、全容を国民に公表する責務がある。迅速に膿みを出し切ることを求めたい。

 また、この日の委員会での小川議員の質問で、仲介役を果たした人事課OBが自ら理事長を務める一般社団法人「文教フォーラム」の事務所が、文科省から補助金を受け調査研究活動をしている公益財団法人「文教協会」の分室にあることや文教フォーラムの年間300万円の家賃を文教協会が支払っていたこと、この人事課OBが文教協会参与に就いていたことなど、文教フォーラムと文教協会の密な関係が浮かび上がってきた。再就職あっせんとの関係から、両者の関係を徹底解明する必要性も出てきた。

 松野文部科学大臣は小川議員の質問に「文教フォーラムは文教協会の分室に所在している」「文教フォーラムの事務所の賃料は文教協会が負担し、フォーラムの理事長が協会の参与に就いていた」と答弁した。そのうえで松野大臣は文教フォーラムの活動について文科省として自身の下に設置した調査班で調査するとした。

 また文教協会役員9人のうち文科省OBが4人を占めていることや2009年以降、文科省から協会に対し出された公金は委託料・書籍料・補助金の合計で1億4819万円にのぼることも明らかになった。

 松野文部科学大臣は「文教協会には平成21年度、28年度に補助金合わせておよそ1億円、調査研究事業の委託費およそ400万円、書籍・雑誌の購入費は平成28年度およそ500万円を文部科学省から支出していた」とした。

 小川議員は「文教協会が(OBを参与として)報酬を払い、文教フォーラムの家賃を払い、丸抱えしていたのではないのか」と指摘した。報酬について、松野文部科学大臣は「無報酬であったとの報告を受けている」と答えた。

 小川議員は「あたかもボランティア精神に満ちたOBが1人いたという生やさしい話ではない」とし「関連の公益法人が国家公務員法改正以降だけで約1億5千万円の公金を投入している。これを少なからず財源にして、元文科省OBの高官と密接に通じて、分室まで設け、天下りのあっせんを専業としてやらせていたというのが実態に近いと思う」ととりあげ、『徹底した真相究明と予算委員会への調査結果の報告を』強く求めた。

 松野文部科学大臣は「政府の再就職等監視委員会からも、しっかり全容を解明するよう求められているところであり、フォーラムと協会との関係も調査班により明らかにし、事実関係を解明したい」と答えた。

 安倍晋三総理は「今回の文科省の再就職規制違反は国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないことだ」と小川議員の質問に答え、「文科省において徹底した調査をし、再発防止策を講じてもらいたい」と答弁したが、実効があがるよう、真相の解明と再発防止策を国民に明らかにすることは政府、文科省の責任として、必ず果たして頂きたい。

 合わせて、26日の衆院予算委員会で、民進党の後藤祐一議員が提起した「退職後に何らかの懲戒処分に当たることが発覚した場合、退職金の一部を返金するような退職手当法の改正を」今国会で是非行うよう期待する。「辞め得」を許さない姿勢を厳しく示すことが、信頼回復への一歩だ。(編集担当:森高龍二)