文部科学省は2月17日、今年3月に高校を卒業する予定の学生の就職内定状況を発表した。国立、公立、私立の高等学校(全日制・定時制)の就職内定率は90.9%となり、前年の同期と比べて0.9%上昇。2009年より7年連続の増加となった。
文部科学省は2月17日、今年3月に高校を卒業する予定の学生の就職内定状況を発表した。国立、公立、私立の高等学校(全日制・定時制)の就職内定率は90.9%となり、前年の同期と比べて0.9%上昇した。
この調査は、文部科学省が1976年度より毎年行っているもので、就職を希望する生徒全員を対象としている。また、公務員や自営業の志望者も含むため、厚生労働省が行なっている就職内定状況の調査と比べて母集団が大きい(厚生労働省は学校およびハローワークを通じた求職者のみを調査)。
今年度に高校を卒業する予定の学生は1,076,981人で、前年度に比べて10,339人増加した。そのうち就職を希望している生徒は191,020人で、前年度に比べて323人減少した。このうち就職内定者は173,566人で、未定者は17,454人となっている(2016年12月末日現在)。なお、12月末時点における就職内定率としては、近年で最大の落ち込みを記録した09年の74.8%から、7年連続で前年の同期を上回る結果となった。
男女別の就職内定率は、男子が92.0%、女子が89.2%で、それぞれ前年の同期に比べて0.5ポイントおよび1.4ポイント増加した。また、東日本大震災の被害が甚大だった3県においても、岩手県が95.6%で0.2ポイント、宮城県が92.4%で1.4ポイント増加した。福島県のみ95.4%で0.4ポイントの減少となったが、全体的にはやはり上昇を示した。
なお、内定率が高かった都道府県ベスト5は富山県(97.2%)、福井県(96.0%)、秋田県(95.8%)、岩手県(95.6%)、島根県(95.5%)だった。逆に内定率の低かった県は沖縄県(67.0%)、東京都(82.9%)、神奈川県(83.8%)、大阪府(84.9%)、高知県(85.9%)で、常に就職内定率が低い沖縄県に加えて、首都圏や関西でも落ち込みが目立った。
この調査は、文部科学省が毎年10月末、12月末、3月末の3回にわたって実施している。今回は12月末時点での結果だが、今後内定を勝ち取っていく学生も加わるため、就職直前の3月末にはさらに内定率が上昇する。15年の例では、12月末時点で90.0%だった内定率が、3月末には97.7%にまで増加した。また、14年は、88.8%だった内定率が97.5%にまで増加した。本年度も、例年と同等に増加することが期待される。(編集担当:久保田雄城)