日本経済団体連合会は政府の中央環境審議会地球環境部会・長期低炭素ビジョン小委員会が年度内に策定予定の「長期低炭素ビジョン」について「政府が『2050年80%減』目標を掲げる場合には、あくまで『目指すべきビジョン』であって、中期目標「2030年度26%減」としていることとは位置付けが異なり、日本としての国際的なコミットメントではないこと」を明確にしておくべきとの意見を2日までに行った。
経団連は「柔軟に対応していく事が不可欠」と主張している。特に2050年80%削減を目標に掲げる場合について、日本としての国際的なコミットメントではないことに加え「全ての主要国が参加する公平かつ実効性ある国際枠組み、主要国のその能力に応じた取り組みの推進、環境と経済の両立の前提条件が付されていることを明確に記載すべきである」と前提条件を明記することを求めている。
こうした意見の背景として、経団連は「2050年80%減は東日本大震災前に政府が掲げていた目標であり、原子力(原発)を巡る状況が大きく変化したなかで、2050年80%減を環境と経済が両立した形で実現できるのか、大きな疑問が残る」とした。(編集担当:森高龍二)