教育勅語でも稲田防衛大臣の資質問うと吉田党首

2017年03月10日 08:17

 社会民主党の吉田忠智党首は主権在君の教育勅語を評する稲田朋美防衛大臣の国会答弁に「戦前の教育が戦争につながったとの反省の下に日本国憲法や教育基本法が制定された」ことをあげ「防衛大臣の資質を改めて問う」と閣僚としての資質を問いたいとした。稲田大臣は「日本は道義国家を目指すべきという精神は取り戻すべきだと考えている」などと国会答弁していた。

 吉田党首は記者会見で「自民党内の改憲議論や安倍内閣に右寄りの人が多いことも影響しており、日本の右傾化を懸念する」とも語った。教育勅語については高市早苗総務大臣も「すばらしい」と自身のブログに書いたことがある。

 教育勅語については昭和23年6月19日の参院本会議で「失効確認」がなされている。決議は「われらは、さきに日本国憲法の人類普遍の原理に則り、教育基本法を制定して、わが国家及びわが民族を中心とする教育の誤りを徹底的に払拭し、真理と平和とを希求する人間を育成する民主主義的教育理念をおごそかに宣明した」とし「その結果として、教育勅語は、軍人に賜はりたる勅諭、戊申詔書、青少年学徒に賜はりたる勅語その他の諸詔勅とともに、既に廃止せられ、その効力を失っている」と明記している。

 そのうえで「(失効しているにもかかわらず)教育勅語等が、あるいは従来の如き効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者在るをおもんばかり、われらはとくに、それらが既に効力を失っている事実を明確にするとともに、政府をして教育勅語その他の諸詔勅の謄本をもれなく回収せしめる。われらはここに、教育の真の権威の確立と国民道徳の振興のために、全国民が一致して『教育基本法の明示する新教育理念の普及徹底に努力をいたすべきことを期する』。右決議する」とある。この点からも、教育勅語を善悪が判断できない幼少期に朗読させるなどには問題があると言わざるを得ない。(編集担当:森高龍二)