日本のビジネスパーソンのうち、9割は仕事で英語を使う環境におらず、8割は英語力の維持・向上のために何もしていない――こんな結果が、日本能率協会グループの「ビジネスパーソン1000人調査」で明らかになった。調査は昨年12月、全国20~69歳までの正規・非正規雇用の就業者1000人(男性556人、女性444人)を対象に、インターネット上で実施。全体のうち、職場で一緒に働く外国人がいる人は14.2%、いない人は85.8%だった。大多数の人は、同僚に外国人がいない。そのためか、仕事をする上で英語を「まったく使わない」が73%と圧倒的に多く、「ほとんど使わない」(16.5%)と合わせると約9割(89.5%)が、英語を使う環境にいなかった。属性別にみると、勤務先の従業員規模が大きい(従業員数5000人以上の会社に勤めている人で20.5%)、または年収が高い(年収1000万円以上の人で20.6%)人の方が、英語を使用する傾向にあった。
現在、英語力の維持・向上のためにどのようなことをしているか聞いたところ(単一回答)、約半数が「何もしていない」(49.7%)と回答。「英語力を維持・向上したい気持ちはあるが、時間や費用の問題で何もしていない」(31%)という人も合わせると、約8割のビジネスパーソンが「何もしていない」という結果になった。英語学習のために心がけている・取り組んでいることがあるのは、全体の2割(19.3%)。一方、同僚に外国人がいる人は、4 割(42.2%)が何らかの英語学習に取り組んでおり、外国人同僚の有無が、英語に対する意欲の差につながっている。
英語への取り組み内容(複数回答)で最も多かったのは、「英語教材や書籍で独学」(26.4%)、次いで「テレビ・映画を英語で視聴」(24.9%)、3 位「海外旅行」(21.8%)だった。日本能率協会は、調査結果を受け、「意思疎通を図るための英語力が心もとないビジネスパーソンが多い実態が明らかになった。『英語ができれば国際人』という時代ではないが、グローバルに活躍できる人材を育成するには、英語の問題は避けて通れない」とコメントしている。(編集担当:北条かや)