自民党の安全保障調査会・弾道ミサイル防衛に関する検討チームは29日、「弾道ミサイル防衛の迅速かつ抜本的な強化に関する提言」をまとめた。「日本独自の敵基地反撃能力の保有」や「THAAD(終末段階高高度地域防衛)などの導入の可否について成案を得るべく直ちに検討」するよう、求めている。
日本独自の敵基地反撃能力の保有では「ほかに手段がない場合に、発射基地を叩くことは、従来から憲法が認める自衛の範囲に含まれる」としている。また「敵基地の位置情報の把握、それを守るレーダーサイトの無力化、精密誘導ミサイルなどによる攻撃といった必要な装備体系について、現在、保有せず、計画もないとの立場だが、政府において『直ちに検討を開始すべき』と提言した。
チームメンバーの佐藤正久参院議員は「イージスアショアやTHAAD等の新しい迎撃システムの導入の検討や現在計画中のイージス艦やPAC3の能力向上を前倒しして行うと共に、抑止力を高めるために、自衛権の範囲内で、巡航ミサイルなどの敵基地反撃能力を保有することが不可欠だとしている」と紹介したうえで「政策審議会の合意を得た後、政府に提言を提出する」とブログで紹介した。(編集担当:森高龍二)