新入社員が踏み出す最初の一歩。各企業でユニークな入社式

2017年04月08日 14:50

入社式2

アキュラホームでは、今年も恒例の「カンナがけ入社式」が行われた

 新年度を迎え、各社では入社式が続々と行われた。たかが入社式、されど入社式。新入社員にとっては、社会人としての門出であり、これから何年、何十年にわたって活躍する職場での、最初の仕事。また、その一方で、雇う側の企業にとっては、新入社員に社風や企業の精神を伝え、夢を与える絶好の機会でもある。それだけに今年も多くの企業で、その企業ならではの個性的な入社式が開催された。

 過去最高となるグループ36社2799人(男性717人、女性2082人)が入社したANAホールディングスは4月1日、ANA羽田空港 機体メンテナンスセンター格納庫にてグループ合同入社式を実施した。2020年開催予定の東京五輪のエンブレムをあしらった、ボーイング777-200の特別塗装機の機体を背にANAグループの有志による「チーム羽田オーケストラ」の演奏で始まる華々しいオープニングセレモニーの後、片野坂真哉社長は講和の中では「安全が全て」という言葉を3度も繰り返し、航空業界で最も重視すべき心構えを新入社員の胸に刻み込んだ。

 また、全国48社のグループ会社から1000人を超える新入社員が参加したJTBグループ「2017年度 JTBグループ合同入社式」には、4月1日に公開された同社TV-CMに楽曲を提供しているシンガーソングライターのMACOと、6年ほど前から同社のCMに出演するなど、JTBと関わりの深い女優の武井咲がサプライズゲストとして登場。一見するとミーハーな入社式のようにも思えるが、今現在、企業の顔となっている二人を直に見ることは、消費者的な目線で同社のイメージを共有するにはうってつけだろう。

 ユニークな入社式では、靴クリームや靴用品メーカーのコロンブスが行っている「靴磨き入社式」などもある。これは、先輩社員と新入社員がお互いの靴を磨く恒例行事で、今年で45回目を迎えた。新入社員に自社の製品に初めて触れてもらうことで、商品や会社への愛着を生み出すとともに、お互いの靴をピカピカに磨き上げることで社員同士の初めてのコミュニケーションを図るのが狙いだという。

 ハウスメーカーのアキュラホームでも、今年も恒例の「カンナがけ入社式」が行われた。これは文字通り、大工仕事の象徴である「カンナがけ」を体験するもので、元大工の宮沢社長自らがカンナがけの手本をみせ、新卒新入社員がそれにならってカンナがけを行った。もちろん、実際の仕事の現場では営業社員がカンナがけをするようなことはないが、「妥協することなく住まう人のために精進し、努力を惜しまない心を持ち続けてほしい」という思いが込められているという。

 ともすれば、会社行事や社長の講話などは、雇う側の押し付けにもなってしまいかねないが、こういったユニークな入社式であれば、新入社員たちの心にも素直に入ってくるのではないだろうか。(編集担当:石井絢子)