民進党の野田佳彦幹事長は政府・与党がテロ対策などとしている組織犯罪処罰法案(テロ等準備罪創設を目指した法案)について、自民党の平沢広報本部長が語った「今回の法律が通れば、捜査当局の市民に関する監視の目が強まる。メールやLINEを傍受することも将来的に可能性はある。犯罪者の周辺にいる人物には迷惑がかかるでしょう」との主旨の発言を引用し「これが真の狙いだ」と重大問題だとして「断固、廃案をめざす」と10日、ブログ発信した。
野田幹事長は「今年1月の衆院本会議で、安倍総理は『国内法を整備し、条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない』と答弁した。一方、オリンピック招致のため、ブエノスアイレスで2013年に行った演説では『2020年を迎えても世界有数の安全都市、東京で大会を開けますならば、それは私どもにとってこのうえない名誉となるでありましょう』と高らかに宣言していた。国の内と外で全く異なった発言をしている」と指摘。
そのうえで「テロに対し手薄な個別分野を強化する法整備を否定しないが、テロ対策を名目に、包括的で不明確な共謀罪を設けることは国民の言動を過度に委縮させ、思想や活動、内心の自由やプライバシー権など基本的人権を侵害する可能性が極めて高いと言わざるをえない」と廃案にしなければならない法案であることを強く訴えている。(編集担当:森高龍二)