国交・経産省、2020年までに自動ブレーキ搭載車を9割超に高める方針

2017年04月11日 07:48

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国土交通省と経済産業省は2020年までに国内新車販売に占める自動ブレーキ搭載車の比率を9割超に高める方針を固めた

 高齢ドライバーによる重大な事故が増加している。警察庁によると75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は年間400件以上で推移しており、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの操作不適が最も多いとのこと。こうしたことを受け、国土交通省と経済産業省は2020年までに国内新車販売に占める自動ブレーキ搭載車の比率を9割超に高める方針を固めた。15年時点の同搭載率は5割に届いておらず、次の2~3年で普及を加速する見通し。国交省と経産省は、自動ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置を搭載した自動車を「安全運転サポート車」と位置付け、機能に応じて「ワイド」「ベーシック+」「ベーシック」の3区分を設けることを検討している。今後は搭載目標値を提示するなど安全サポート車の啓発に取り組んでいく。

 まずは、国内乗用車メーカー8社に対して、「高齢運転者事故防止対策プログラム」の策定が要請され、これを受けてマツダが17年度中に国内で販売するほぼすべての車種に先進安全技術を標準装備すると発表した。同社はすでに、夜間の運転視界を確保するための配光を自動で最適状態にするヘッドライトや、中高速走行時にも作動可能な衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報システムといった先進安全技術を、ほぼすべての新世代商品でオプションにて提供している。こうした安全技術の装備に加え、最量販車「デミオ」や「アクセラ」、「アテンザ」、「CX-3」、「CX-5」といった車種に対して、「衝突被害軽減ブレーキ」、「AT誤発進抑制制御」、車線変更時に斜め後方に存在する車両を知らせる「BSM(ブラインド・スポット・モニタリング)」、後退時に横から近づく車両を通知する「RCTA(リア・クロス・トラフィック・アラート)」の4機能を標準装備する計画。

 先進安全技術がほぼすべての市販車に搭載されることで、高齢ドライバーによる交通事故防止や被害軽減が期待できる。また、自動ブレーキなど、自動運転車に欠かせない技術の普及基盤が早期に整うことへの期待も大きく、保安基準の策定などにより段階的に自動運転車普及基盤の構築につなげるとみられる。(編集担当:久保田雄城)