富士重の運転支援システム「アイサイト」搭載モデルの国内累計販売50万台突破

2017年03月18日 19:44

Subaru i-Sight

現在、自動車各社が搭載する「自動ブレーキ」の先駆けとなった富士重の「アイサイト」は、写真のようにフロントガラスのステレオカメラだけで制御する

 富士重工業が販売する運転支援システム「アイサイト」搭載モデルの国内累計販売台数が、2017年2月に50万台を達成した。2008年5月に日本で発売して以来、8年10カ月での達成となる。

 富士重が国内で初めて発売した「アイサイト」搭載車は2008年、レガシィに追加車種としてVer.1搭載車を設定したモデルだった。ステレオカメラと新開発 3D 画像処理エンジンンにより、優れたプリクラッシュセーフティ・アイサイト は、衝突被害軽減を実現する先進運転支援システムとして展開をスタートさせた。当時としては世界で初めてステレオカメラだけで「プリクラッシュブレーキ」「AT 誤発進抑制制御」「全車速追従機能付クルーズコントロール」を実現していた。

 富士重がこのVer.1を発売した当時、国土交通省は自動停止するブレーキを認めていなかったため、「プリクラッシュブレーキ」は“衝突回避”ではなく“衝突事故軽減”システムにとどまっていた。

 2010年に発売したVer.2では、“ぶつかるまえに止まる”自動ブレーキとなり、大ブレークすることになる。

 現在のアイサイトは、やはりステレオカメラのみで、自動車だけでなく歩行者、二輪車までも対象としたプリクラッシュブレーキや、全車速追従機能付クルーズコントロールなどを実現している。

 アイサイト搭載車は、現在日本をはじめ、豪州、北米、欧州、中国の各市場で販売しており、2016年11月に世界累計販売台数100万台を達成した。今後もグローバル展開を順次拡大していくとしている。

 アイサイトの予防安全性能については、アイサイトを搭載したスバル車が、米国でIIHS(道路安全保険協会)による2017年安全評価の前面衝突予防性能試験において最高評価「Superior」を獲得。

 また、日本では国土交通省とNASVAが実施する予防安全性能アセスメントにおいて最高評価であるJNCAP「予防安全性能評価 ASV++」に選定された。さらに、欧州の新車評価基準であるユーロNCAPにおける、2016年安全性能総合評価で最高評価のファイブスターを獲得するなど、第三者機関から高い評価を獲得している。

 現在、アイサイトの最新版はVer.3だが、富士重では2017年中に全速度域追従機能と車線維持システム、自動運転レベル2を達成するVer.4搭載車を発売する予定だ。スバルは今後も、「ALL-AROUND SAFETY」の考え方のもと、0次安全・走行安全・予防安全・衝突安全の各技術を進化させていくという。(編集担当:吉田恒)