米空母打撃群との訓練は日本の意思示すもの

2017年04月29日 06:04

 稲田朋美防衛大臣は28日の記者会見で米太平洋軍のハリス司令官が26日の米議会公聴会で「空母・カール・ヴィンソンは北朝鮮への攻撃射程圏内にある」と証言したが、自衛隊と共同訓練も実施している中で、どのように受け止めるか、との問いに「空母打撃群と共に海上自衛隊の艦艇と航空自衛隊の航空機がそれぞれ同時に米空母打撃群と訓練を実施することは日米同盟全体の抑止力・対処力を一層強化し、地域の安定化に向けたわが国の意思、高い能力を示すもの」と語った。

 稲田大臣は「アジア太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、地域の平和と安定にとって米国の抑止力は不可欠」と強調し「わが国としては引き続き米国はじめ国際社会と連携しながら、北朝鮮問題に対応していく」と全ての選択肢がテーブルの上にあるとするアメリカ政府の姿勢にも、抑止力の範疇との受け止めをうかがわせた。

 また、記者団からハリス司令官は北朝鮮について、アメリカ本土に届く核ミサイル能力を遠くないうちに確立する見通しを明らかにしているが、これについての受け止めは、と聞かれ稲田大臣は「個別の証言に逐一コメントすることは差し控える」としたうえで「北朝鮮が核の小型化、弾道化の技術を保有する段階に至っている可能性もあると考えている」と述べた。

 稲田大臣は「昨年2回の核実験、20発以上の弾道ミサイル発射があり、潜水艦からの発射やわが国の排他的経済水域に同時に3発着水させる能力等々を考えると、新たな段階の脅威というふうに認識している」と北朝鮮の核・ミサイルの能力が飛躍的に進んでいる可能性があるとの認識を示した。(編集担当:森高龍二)