共謀罪法案衆院通過「民意と国会軽視の暴挙」

2017年05月24日 06:19

 テロ等準備罪(共謀罪)創設へ23日の衆院本会議で法案を採決し、自民・公明・日本維新が数の力で衆院を通したことに、社会民主党の又市征治幹事長は「民意と国会軽視の暴挙と言うほかない」と談話を発表した。

 又市幹事長は「安倍政権と与党は衆院本会議で共謀罪法案の採決を強行。計画に加わるだけで処罰可能とする同法案は実行された犯罪を処罰する日本の刑法原則を根本から覆し、国民の思想・信条の自由や表現の自由を侵害する恐れが強く、国民の不安や懸念は膨らむ一方だ」と問題がなんら解決されていないことを指摘した。

 また又市幹事長は「過去の共謀罪法案との比較に関して林真琴刑事局長が『限定した適用対象の範囲は同じ』と明言し、一般市民も対象になると、3度廃案になった過去の法案と実態は何ら変わらない事実を認めた。さらに『準備行為』がなくても任意捜査は可能と認めた事実は極めて重大」とし「一億総監視社会に道を開き、民主主義を窒息させかねない法案の危険な本質が改めて浮き彫りになった」と廃案にすべき法案だとアピールした。

 また、又市幹事長は「世論調査で政府の説明が不十分とするのが8割近くに上っている」ことや「国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏からも、法案について『計画』や『準備行為』の文言が抽象的で(1)恣意的な適用のおそれがあること(2)対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいること(3)いかなる行為が処罰の対象となるかが不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があること、などの指摘があり、プライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの懸念を示す書簡が安倍首相宛てに送付されている」ことなどもあげ、参院で法案の問題点を徹底追及していくとしている。(編集担当:森高龍二)