国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結に国内担保法として「テロ等準備罪」の創設が必要と訴え、自民・公明・日本維新の会が今国会での法案成立をめざし、19日、衆院法務委員会で強行採決、法案を可決した。TOC条約はテロを対象にしているものではない。むしろ、治安維持法の臭いがしそう。
社会民主党の又市征治幹事長が19日談話発表した中で指摘するように「何が組織的犯罪集団、合意、準備行為に当たるのか。本当に一般人は捜査対象にならないのか。計画段階の捜査で恒常的な監視など人権侵害の恐れや冤罪・誤認逮捕の危険性はないのか。277の対象犯罪は適正か。国際組織犯罪防止条約(TOC条約)は本当にテロを対象としているのか。現行の法体系で本当に日本はTOC条約を締結できないのか、などの疑問は何一つ解消されていない」。
自民党の幹事長も務めたことのある小沢一郎衆院議員が代表をつとめる自由党は党のパンフレットで「テロ等準備罪は治安維持法だ」と断言している。
今回のテロ等準備罪に対する国会審議のやり取り、パンフレットで治安維持法創設時の警視庁の説明とダブルことを自由党は指摘、警告している。
それによると「当初、警視庁は『治安維持法は伝家の宝刀に過ぎず、社会運動が抑圧されることはない』『純真な運動を傷つけることはない』と説明。ふたを開けてみれば、逮捕者は数十万人、拷問で虐殺、獄中死194人、獄中で病死など1503人。(治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟からの出典)。ジャーナリストや学生、労働組合や政党など、間違った政治にもの申す人々が弾圧され、モノ言えぬ社会になり戦争へ突入した」。
「法律が成立すれば時の権力者により、その幅を拡大することは可能」と警告。「思ったことを表現できない空気読みの社会が広がる」と監視社会にすすむ危険性を喚起。少なくとも、国民の不安や疑問を払拭する担保とその説明責任を政府・与党は果たさなければならない。数で押し切る法案でないことは確かだ。(編集担当:森高龍二)