経団連が原発リプレース・新増設を促す

2017年06月06日 06:23

 日本経済団体連合会が脱原発・原発依存逓減と真逆の原発回帰とも受け取れるエネルギー政策の転換を政府に促し始めた。

内閣府原子力委員会の取りまとめた「原子力利用に関する基本的考え方への案」に対する意見として5日までに明らかにした。この中で日本経済団体連合会は「環境と経済を両立させつつ長期的に大幅な温室効果ガスの削減を実現するためには抜本的な排出削減を可能とするイノベーションの創出は勿論のこと、原子力発電を2030年以降も継続的に活用していくことが必要」などと訴えている。

日本経済団体連合会は「仮に全ての既設炉を60年間運転したとして、リプレース・新増設を見込まない場合、2050年時点の発電電力量は現在の半分となる」とした。

だから「国は原子力発電が長期的に果たしうる役割を明らかにし、『リプレース・新増設を政府施策に盛り込むべき』である」などと結論付けている。

日本経済団体連合会は「政府、原子力事業者など関係者は新規制基準に適合した原子力施設の安全性と原子力の必要性について、丁寧な説明を続けていくべき」と政府などに要請している。原発の再稼働にとどまらず、リプレース・新増設へ道を開く環境づくりが狙いとみられる。(編集担当:森高龍二)