稲田朋美防衛大臣は自民党の国防関係会合で国防費についてNATOがGDP2%を目指していることを参考にすべきなどの意見があることについて、20日の記者会見で記者団の問いに答え「党内で検討・議論されている内容の逐一に関し、政府の立場からコメントすることは差し控えたい」としたうえで「防衛関係費のあり方に関し、GDPと機械的に結び付けることは適当ではないと考えている」と述べた。
稲田防衛大臣は「第二次安倍政権の発足までは毎年10年間、防衛費は削減されてきた」としたうえで「第二次安倍政権の発足後は中期防に基づいて5年間実質0.8%伸ばす計画になっており、実際5年連続で増額を図っている。防衛関係費のあり方はわが国自身の防衛力が質・量ともにどうあるべきか、自らが果たし得る役割の拡大をしっかりと果たしていくにはどうあるべきかという観点から考えるべきであって、他国から言われて対応するとか、GDPに機械的に決まるというものではないと考えている」と述べた。
また北朝鮮の核・ミサイル問題を踏まえた敵基地攻撃能力の保有については「自民党から敵基地反撃能力の保有検討開始への提言を受けており、しっかり受け止めたいと考えている。わが国として何をなすべきかという観点から常に様々な検討を行っていくべきというふうに考えているが現在、自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、保有する計画はない」とした。
ただ、記者団が敵基地攻撃能力の保有に関する研究や調査は行っていないという理解で良いかと質したのには「日米同盟全体の抑止力を強化し、国民の生命・財産を守るために何をなすべきかという観点から様々な点について検討を行っているということです」と敵基地攻撃能力の研究・調査はしていないとは答えなかった。(編集担当:森高龍二)