厚生労働省が行った調査によると、睡眠時間が6時間未満の日本人が4割になることがわかった。この傾向は年齢が若いほど強い傾向にあり、20代では36.8%の人が6時間を切っているという事だ。
睡眠時間と脳機能の関係を調べたペンシルベニア大学などの研究によると、6時間睡眠を2週間続けると集中力や注意力が低下し、脳の機能が徹夜明け程度まで落ちることがあるという。また、脳の機能低下に当の本人に自覚がないこともあるとのことだ。そのような状態であれば、当然仕事にも影響してくる。自分の睡眠時間は足りているのだろうか?また、しっかりと睡眠をとるにはどうしたらいいのだろうか?一度考えてみてはいかがだろうか。
睡眠時間が足りているかどうかの一つの指標として「寝だめの有無」が挙げられる。翌日が休日の日に、しっかりとカーテンで遮光し目覚ましを掛けずに就寝して気がすむまで寝てみてその時間が普段より長ければ、それは睡眠時間が足りてないことを示すということだ。
また、最近では『睡眠負債』という言葉が注目を集めている。これは、普段6時間寝ているのに、特定の日は3時間しか寝られなかったなどの、あきらかな睡眠不足などとは異なり、少しずつ溜まっていた睡眠不足を表す言葉だ。もし、「最近スッキリしない」「ぐっすり眠れていない」と感じている場合は上記の方法を試してみて睡眠負債がたまっていないかを確認してみよう。
睡眠評価研究機構代表の白川修一郎氏はしっかりと睡眠をとるためのポイントを挙げた。まず午前中に日の光を浴びることで体をしっかりと覚醒させることが大切だ。食事の時間を一定にして体内時計を整えるひつようもある。カフェインやお酒の摂取は寝る3時間前、風呂は寝る30分前までに済ませ、寝る2時間前から強い光やスマホ、パソコンの使用を避けるなどして準備を整えることも大切。寝室の温度は18~26℃が快適だとされている。また、寝る前に「寝なきゃ」という焦りも禁物だ。
心構えから、具体的な禁止事項まで様々なことがあるが、これらに注意して睡眠環境を整え日々の生活に活力を取り戻そう。(編集担当:久保田雄城)