ディスコが実施した『全国主要企業に対する採用活動調査』によると、7月調査時点で採用活動を終了した企業は23.8%であり、採用活動を継続している企業のうち82.2%が今後の採用活動に危機感をもっていると答えた。
キャリア支援を行うディスコは、全国の主要企業17743社を対象に2018年度の採用活動状況について調査を実施した。
採用活動の開始時期については「3月上旬」が最も多く、面接の開始時期は「3月下旬~4月中旬」が全体の42.0%となった。内定出しの時期については「6月上旬」が18.0%で最多であるが、「3月下旬~5月上旬」と回答した企業が昨年を上回り、採用活動と面接開始、内定出しのいずれも早まっている様子が伺える。
また、理工系学生の採用における推薦導入状況については「導入している」と答えた企業が全体で25.1%、製造業では34.8%、大手企業では42.9%となった。推薦受験の面接開始時期は「4月上旬」が最も多くなり、前年のピークだった「4月中旬」にくらべ早くなっている。
17年卒採用と比較した学生の応募状況は、エントリー数・選考応募者のいずれも「減った」と回答した企業が「増えた」を上回っている。同時に企業の学生に対する満足度では「量」に対して不満と答えた企業が6割を超え、企業ごとの応募数が減っていることが実感されている。また選考途中の辞退や内定辞退も「増えた」との回答が「減った」を上回り、辞退者は増加している傾向がみられる。
7月調査時点で採用選考を「終了した」と答えた企業は23.8%で、内定者充足率の平均は59.9%となった。業種別にみると「金融」が終了している企業が最も多く36.7%が「終了した」と答えている。採用活動を継続している企業のうち「充足できる見込み」と答えたのは31.4%に留まり、82.2%は今後の採用活動に「危機感がある」と答えている。
19年卒業予定者の採用計画は採用数「増加」が15.8%、「減少」は6.5%で引き続き拡大傾向が続くとみられる。また予算についても22.8%の企業が「増加」としており、「減少」の10.1%の2倍以上となった。
「学生に 縁があったらと あしらわれ」「御社だけ 言った翌日 辞退します」(人事担当者川柳)。売り手市場が続くなか優秀な人材を確保したい採用担当者の苦労が垣間見える。(編集担当:久保田雄城)