竹島は韓国領とする久保井氏の著書韓国版で出版

2017年08月21日 07:09

 竹島(独島)は韓国の領土と主張する久保井規夫氏(元桃山学院大学非常勤講師)の著書「図説 竹島=独島問題の解決」の韓国語版が発行され、22日、出版記念会が釜山市内のホテルであるという。韓国・聯合ニュースが20日、報じた。

 出版記念会では公表されていない古地図や日本海軍の1級資料などが公開される予定としている。どのような資料や古地図が示されるのか、注目される。

同書は久保井氏が2014年に出版。聯合ニュースは本について「日本全国の図書館や博物館で独島が韓国領土であることを示す古地図などの史料を集め、本にまとめた」ものと紹介。久保井氏が「日本政府が同島訪問の自粛を求めていた2013年に「『竹島の日』を考え直す会」のメンバーらと独島(竹島)に上陸し、独島は韓国の領土と主張した」人物と紹介した。

 久保井氏は日本政府が竹島(独島)は日本領とする史料のひとつにする長久保赤水(ながくぼせきすい)の「改正日本輿地路程(よちろてい)全図」(1846年)は「海賊版の地図」と主張。「正規版ならあるはずの製作者の序文も、発行場所の名称も、『第○版』という刻印もない」と提起している。

 この地図では「竹島」との表記と日本領を意味する「白」での表示があり、日本は「古来より、独島は自国の領土と認識してきた」とひとつの根拠にしている。

 これに対し、久保井氏は「日本政府が独島の領有権を主張するため、誤りがあった初版の地図(1775年)をそのまま借用した『海賊版』を使っている」と主張。「1779年以降の正規の改正版では、鬱陵島・独島が無色(朝鮮領)で表示された、と説明した」。

 朝鮮日報は2015年4月25日の電子版で「久保井規夫・桃山学院大学名誉教授は24日午前、韓国国会の東北アジア歴史歪曲対策特別委員会に出席し、日本の外務省が挙げる第一の証拠資料について『海賊版』だと主張した」と報じ「(久保井氏が)日本政府が正規版ではない海賊版を使用するのは、鬱陵島・独島を日本領に仕立てることができるから。これは、著者の改正意図を歪曲し、歴史の真実を隠す行為にほかならないと指摘した」と報じていた。

 一方、外務省は「1618年(1625年説もある)鳥取藩伯耆国米子の町人大谷甚吉、村川市兵衛は同藩主を通じて幕府から鬱陵島(当時の日本名「竹島」)への渡海免許を受けた。隠岐から鬱陵島への道筋にある竹島は航行の目標として、途中の船がかり(停泊地)として、あしかやあわびの漁獲の好地として自然に利用されるようになった。遅くとも江戸時代初期にあたる17世紀半ばには竹島の領有権を確立した。幕府が鬱陵島や竹島を外国領であると認識していたのであれば鎖国令を発して日本人の海外への渡航を禁止した1635年には、これらの島に対する渡海を禁じていたはずで、そのような措置はされなかった」と17世紀半ばには領有権は確立していたとしている。(編集担当:森高龍二)