小池百合子都知事率いる希望の党が3日、10日公示、22日投開票で実施される衆議院議員選挙(総選挙)の第一次公認候補192人を発表した。
希望の党から82人、残り110人が民進党側の出身者。とはいうものの、希望の党からの立候補には、安保法制に対し「憲法に則り、適正に運用する」とともに「不断の見直しを行い、現実的な安保政策を支持する」ことを求めた。この条件は、すでに現行の安保法制は「憲法の枠内にあると是認している」ことを意味している。
合わせて、永住する外国人への地方参政権付与に反対することも受け入れたことになる。民進党は外国人も納税義務を果たしていることを考慮し、自らが住む自治体の選挙については参政権を付与する方向で取り組んできた経緯がある。この方針にも目を閉じた。
加えて「憲法改正を支持する」「希望の党が選挙協力する政党への批判を禁止する」と日本維新の会などを意識した縛りにも同意したことになる。
安倍政権打倒が最大の目的で、これが手段としながらも、打倒のはずの希望の党は、小池代表が産経新聞単独インタビューに応じた報道では「自民党が参院で過半数を占める中、希望の党が衆院で過半数を得た場合に、自民党と連立する可能性について『結果をみて判断する』と否定せず、連携に含みを持たせた」としており、憲法9条改正を目指す自民党と同船する可能性がある。共産党は自民の補完勢力と指摘する。
今回、こうした状況で希望の党公認候補になった民進党メンバーには、安倍政権を強く問題視してきた山井和則元国対委員長(京都6区)や馬淵澄夫元国交大臣(奈良一区)、国会論戦で政府を追求してきた玉木雄一郎元幹事長代理(香川2区)、原口一博元総務大臣(佐賀1区)、大串博志元総理補佐官(佐賀2区)らが名を連ねている。(編集担当:森高龍二)