オムロン、リオ五輪のメダリスト、水谷隼選手とラリーが出来る卓球ロボット披露

2017年10月08日 13:55

OMRON_FORPHEUS

オムロンの第4世代卓球ロボット「フォルフェウ」、上級者の「スマッシュへの対応」と、「ロボットによるサーブ代替」機能を実装。デモではリオデジャネイロ五輪のメダリスト、水谷隼選手とラリーを行ない、見事なスマッシュ・リターンを披露した

 日本で最大のCPS/IoT総合展示会「CEATEC JAPAN 2017」が、10月3日から10月6日まで、千葉・幕張メッセで開催された。

 CEATECに常連出展するオムロンは、同社のコア技術「センシング&コントロール+Think」を掲げて目指す「人と機械の融和」をわかりやすく紹介するために、進化を続ける卓球ロボット「フォルフェウ(FORPHEUS)」に、サーブ機能、スマッシュ対応機能を追加した第4世代を出展した。

 この第4世代卓球ロボット「フォルフェウ」は、「卓球初心者から上級者、エキスパートなど幅広い卓球ファンがラリーを楽しめる」ロボットとして、さらに進化したモデルだ。なかでも、2台のロボットを使い、トスを上げてサーブを打つ機能を持つ卓球ロボットは、「フォルフェウス」が世界初だ。

 オムロンの卓球ロボット「フォルフェウス」は、2013年に登場。以来、「人と機械の融和」の実現を目指し進化してきました。昨年、第3世代の「フォルフェウス」にAI技術「時系列ディープラーニング」を実装し、学習結果を基にしてラリー相手のレベルを判断、ラリー相手のレベルを理解し、その人に合わせた返球を行なうロボットに進化した。

 今年展示された第4世代「フォルフェウス」は、“ラリー相手を更に拡大する”ことを新たな技術進化させ機能を追加したロボットだ。機械が人の特性を理解して、相手に合わせることで、より多くの人が卓球ラリーを楽しみ、さらに相手の能力が引き出されることを目標に開発し、上級者が思い切り打ち込んでくる「スマッシュへの対応」と、初心者には難しいとされる「ロボットによるサーブ代替」機能を実装した。

 なかでも注目技術は「スマッシュ対応機能」で、上級者などが打ち込んでくるスマッシュに対応することで、より高度な卓球ラリーを堪能できる機能だ。

 ラリー相手の身体の動きを「フォルフェウス」に設置している人体センサーで検知し、AI技術「時系列ディープラーニング」で解析することで、ラリー相手がスマッシュを打とうとする気配・意図を「フォルフェウス」が感じ取り、ラリー相手がスマッシュを打つだろうと「フォルフェウス」が判断した場合、スマッシュが打ち込まれそうな位置を予測し待機する。また、卓球のボールを追従する「アルゴリズムを高速化」したことで、時速40から80km/h程度のスマッシュ・レシーブを可能とした。

 なお、「フォルフェウ/FORPHEUS」は、「Future Omron Robotics technology for Exploring Possibility of Harmonized aUtomation with Sinic theoretics」の頭文字をとり、オムロン独自の未来予測理論「SINIC理論」に基づく、オムロン独自のロボット技術を表現した造語である。

 会場で実施したデモで、2016年のリオデジャネイロ五輪のメダリスト、水谷隼選手とラリーを実施し、見事なスマッシュ・リターンを披露した。(編集担当:吉田恒)