日本経済団体連合会の榊原定征会長は神戸製鋼や日産自動車で行われていた不正行為に対し「日本のものづくりへの国際的信認の高さの背景には圧倒的な品質の高さがある」と指摘したうえで「わが国製造業への信頼に影響を及ぼしかねない由々しき事態だ」と深刻な問題だとした。
榊原会長は「事態の正確な把握、不正の原因究明、再発防止の対策に徹底して取り組んでもらいたい」と求めた。
一方、経済産業省は12日、神戸製鋼の川崎博也代表取締役会長兼社長に対し「徹底的な原因分析と全社的な再発防止策を含む報告を1か月以内に行うよう」指示した。
神戸製鋼では、これまでの社内調査で同社製造のアルミの検査データが改ざんされ、この製品が自動車や新幹線、防衛関連部品の一部に使われていたほか、車の部品に使われている鉄粉についてもデータ改ざんされた製品を出荷し、使用されていることが分かった。
また、日産自動車は無資格の従業員が新車製造の最終審査に関わり、検査記録書類には資格者のハンコが押され、完成検査を終えていた。
日産自動車は「車両製作工場の完成検査において、任命されていない検査員が合否判定を行ったものがあり、 安全環境性能法規(保安基準)に関する検査が適切に行われていなかった」と認めたうえで「指定整備工場において自動車検査員による点検を行い、 安全環境性能法規(保安基準)に関する不具合が認められた場合は是正する」として、ノート、セレナ、シルフィなど28車種、約115万台を対象にリコール届けを出した。(編集担当:森高龍二)