自民の与野党質問時間配分の要求に石破氏が苦言

2017年11月11日 07:47

 自民党の元幹事長でもある石破茂元防衛大臣が10日のブログで与野党の国会での質問時間配分について、自民党が与党の質問時間を大幅に増やすよう要求していることに、良識人らしく「異論」を書き込んだ。苦言ともいえる。

 石破元大臣は「国会の論戦が開始されるに当たり、質問時間の配分を巡って与野党間にかなりの意見の隔たりがあるようです。法案にせよ、予算案にせよ、国会に提出される案件については、そのほとんどが与党の事前審査・承認を要するのが慣例であり、与野党の質疑時間が議席数に純粋に比例すべきものだとは思いません」と正論。

 そのうえで「野党の質問に丁寧に答えることによって政府・与党案の正当性を世に知らしめる大きな効果が得られるものと考える」と、これも正論を書き込んだ。

 石破元大臣は「与野党比1対9などと言うのは譲りすぎですが、野党にひたすら誠実に正確に答弁することによって、野党の揚げ足取り的な質問も減少するように思うのは私だけなのか。質問の価値は単なる時間の長さだけではなく、質問時間と内容との積によって決まるもの」と自民党の主張に苦言を呈している。

 自民党は野党時代に現行の与党2、野党8を要求し、民主党政権はこれを受け入れた。しかし、安倍晋三総裁率いる自民党は与党になると「議席数に応じた質問時間配分を」と馬鹿げた提案をしている。そして、10日「1対1」を提案。野党側は当然、石破氏と同じ「国会に提出される案件については、そのほとんどが与党の事前審査・承認を要するのが慣例である」ことを踏まえ、現行の与党2、野党8の割合を保つよう強く求めている。

 与党3、野党7ならいざ知らず、議席数に比例させる配分などは、野党からの追及回避以外の何物でもないと批判が出てくるのは避けられない。特別国会での質問時間も十分にとる必要がある。加計疑惑、森友問題での新たな動きがある以上、政府・与党側の責任として、十分な時間をとり、これに対する説明責任を果たしていくことが強く求められている。(編集担当:森高龍二)