国有地が地中ゴミを根拠に8億2000万円値引きされ、森友学園に売却された問題で、地中3メートルを超える3.8メートルにゴミがあったと大阪航空局が示した証拠の写真(工事業者撮影)が29日の衆院予算委員会で取り上げられ、写真標識(プレート)には「試掘完了・No1、深さ3メートル」と大きく手書きされたものが写っているのに、大阪航空局はその写真を添付し、証拠写真として写真右側に「No3、試掘確認、深さGL-4000」と4メートルとしている、深さの整合性についての疑問を、希望の党の今井雅人議員が質した。
今井議員は「試掘の深さは3メートルしかないのではないか。提供した工事業者に確認してくださいとずーと求めているのに、確認できないし、確認する必要もないと言っている」となぜ確認しないのか、強く求めた。
また写真について、3・8メートルの深さからゴミが出てきたことを確認するに足りるものでないと会計検査院も調査報告で同様の指摘をしている。
国土交通省の蝦名(えびな)邦晴航空局長はこの日の答弁で「看板の3メートルの記載については、工事関係者に確認をしているが、なぜ3メートルになっているのかということにつきまして、まだ、現時点でご説明頂けておりません。引き続き確認したい」と3メートルを超える深さにゴミがあった根拠となる重要な証拠写真であるにもかかわらず、未だに疑問を解消しない姿勢に、当初から3メートルを超える地中にゴミがあったことにしたのではとの疑念を深める答弁になった。
今井議員は政府が会計検査院の報告を真摯に受け止め、同様の問題が起こらないよう改善していくと答弁していることに「会計検査院の報告はわれわれが国会で指摘してきたこととまったく同じではないか。会計検査院のことは真摯に受け止めるのに、立法府のいうことは受け止めないのか。国会をなめているのかと言わざるを得ない」と政府姿勢にも問題を提起した。(編集担当:森高龍二)