北朝鮮の朝鮮中央テレビは29日、重大放送として「新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星15の発射実験に成功した」との政府声明を発表した。「米本土全域を攻撃できる超大型重量級の核弾頭装着可能な大陸間弾道ロケットだ」としている。
聯合ニュースが朝鮮中央テレビの報道として伝えた。それによると「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が28日に発射実験を指示、発射に立ち会った。金委員長は『発射の成功を見守り、国家核武力完成の歴史的な大業を実現した』と宣布した」としている。
朝鮮中央テレビの報道では「ミサイルは平壌(ピョンヤン)郊外(平壌市の北に接する平城=ピョンソン=市)で発射され、最高高度4475キロに達し、53分にわたり950キロを飛行。設定した目標水域(日本海の日本の排他的経済水域、青森県西方250キロ付近)に着水した」と伝えた。また「周辺国の安全に影響はなかった」とも伝えた。
小野寺五典防衛大臣は「平城市で発射されたのは初めてと思うが、平壌に近い場所ということであり、様々な場所で発射する実験も行っているのではないか」との見方を示した。
また北朝鮮核問題を巡る6カ国協議の日米韓首席代表は今回の発射を受けて協議し、北朝鮮を対話の場に引き出すために強力な制裁と圧力を推進していかねばならないとの認識で一致したという。(編集担当:森高龍二)