人材サービス企業のアデコは、日本企業に勤務するホワイトカラーの外国人300名を対象に日本企業での就労環境、日本人の働き方等に関するアンケート調査を実施しこの集計結果を公表した。
調査結果によれば、「現在の就労環境に満足しているか」という問いに対して、「満足」が24.7%、「やや満足」が52.3%で、両者を合わせて77.0%が「現在の就労環境に満足している」と回答している。また「今後も日本の企業で働きたいか」という問いに対しては、「そう思う」が39.0%、「ややそう思う」が45.0%で、両者を合計すると84%となっている。
「満足している」と回答した者にその内容について尋ねたところ「業務内容」が60.6%と最も多く、次いで「同僚との人間関係」57.1%、「労働時間」55.8%、「雇用の安定性」53.7%、「オフィス環境・設備」53.2%、「上司との人間関係」51.9%、「給与」50.2%などが半数を超えている。
同僚の日本人の働き方については「仕事の精度が高い」80.3%、「人材の指導や育成に長けている」が61.3%と好評価が高い一方、マイナス面では「無駄な会議が多い」が71.7%、「時間の管理が上手くない」が56.7%となっている。
「日本の職場環境で不満に思っていること」を尋ねると、「男女が平等に扱われていない」が43.0%で最も高く、次いで「”阿吽の呼吸”といった直接的でないコミュニケーションが煩わしい」が40.0%、「遠回しな言い方がわかりにくい」が39.0%、「外国人に対する差別がある」39.0%などが高くなっており、多様性への不寛容と日本人特有のコミュニケーションを不満に感じている傾向が見られる。また、「外国人であるがゆえに機会を与えられなかったと感じることがある」と答えた者が69.3%にも上っている。
「日本で働こうと思った理由」については、「住みやすいから」が62.3%、「日本に興味があるから」が60.7%と、日本の国自体に興味をもっているからという傾向が見られる。外国人が日本企業で長く働くための企業の課題については、「外国文化に対する理解の向上」が62.7%、次いで「より良いワークライフバランスへのサポート」が62.3%、「日本人・外国人従業員間の区別の撤廃」60.0%などが高くなっている。
本調査から、日本で働く外国人は就労環境に関しては満足度が高い一方、人事評価や日本特有の社内風土などで不満があり、国際感覚の導入などが今後の日本企業の課題であると言える。(編集担当:久保田雄城)