トヨタとパナソニック、車載用角形電池事業の協業検討を正式発表

2017年12月13日 17:34

Toyota_Pana

12月13日午後、豊田章男トヨタ社長(写真左)と津賀一宏パナソニック社長が出席し、車載用角形電池事業について協業に合意したと発表

 トヨタ自動車とパナソニックは、12月13日午後、豊田章男トヨタ社長と津賀一宏パナソニック社長が出席する記者会見を急遽開き、車載用角形電池事業について協業の可能性を検討することに合意したと発表した。

 今回の合意は、地球温暖化、大気汚染、資源・エネルギー問題という社会問題の解決に貢献し、また、電動車への需要と期待の高まりに応えるために、電動車の中核となる車載用電池の更なる進化を目指す両社の取り組みだとした。

 両社は、1953年の取引開始以来、65年の長年にわたりモノづくりに携わる企業として互いに切磋琢磨してきた。昨今両社を取り巻く環境が激変するなかで、日本発のモノづくりで世界に貢献するため、信頼できるパートナーと従来の枠を超えて、新しい価値創造に挑んでいくことが重要との認識で一致したという。

 トヨタは、持続可能なモビリティ社会の実現に向け、1997年に世界初の量産HV車「プリウス」を発売し、2014年には燃料電池自動車「MIRAI」を発売するなど、自動車の電動化に挑戦してした。

 今後も、これまで築き上げてきた、車両電動化技術および商品化における知見をもとに、ユーザーのライフスタイルや地域性に適合した、HV、PHV、FCV、EVなどさまざまな電動カーの開発に取り組むとした。

 パナソニックは来年、創業100周年を迎える日本を代表する企業だ。車載用リチウムイオン電池事業を重点事業と位置づけており、円筒型電池で世界のトップ企業だ。車載用電池に求められる多くの要求事項を実現させる技術力が評価され、トヨタやテスラなど世界の多くの自動車メーカーで採用されている。

 現在、車載用角形電池については、これまで培ってきた電池事業での技術的な知見やノウハウを活かし、さらに安全で高容量の電池の実現に向け挑戦を続けている。

トヨタとパナソニックは電動車の一層の普及に向けて、車載用電池の性能・価格・安全性等の更なる進化と安定供給能力の重要性を認識しており、全固体電池の開発を含め、両社は業界ナンバーワンの車載用角形電池を実現し、トヨタのみならず、広く自動車メーカーの電動車の普及に貢献すべく具体的な協業内容を検討していくとした。

 トヨタの豊田章男社長は会見のなかで、「現在トヨタは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車と、電動車フルライン生産メーカーだ。2030年を目途にこれら電動車の生産50%を見込んでいる」とし、今回の協業で、「重たくて高価な電池」の高性能化、コンパクト化、リ・ユース&リサイクル環境を作り上げたいと語った。(編集担当:吉田恒)