障害のある子供を放課後や長期休暇中に預かる放課後デイサービスが5年間で4倍以上と増加している。主に民間の企業や社会福祉法人が中心となって設立しているこの放課後デイサービスは、開設するための条件についても緩和されていることから新規参入しやすいという特徴をもっている。しかし、それだけにデイサービスとしての質については決して一定というわけではなく、中には一定水準以下のケースもあり、こうした懸念を受けて厚生労働省が対策と規制を検討している。
この放課後デイサービスの目的は、発達障害など軽度の障害を持った子供を中心に預かるという仕組みとなっている場合がほとんどで、一般の学童保育などでは対応が難しい児童を預かることから高いニーズがある。特に共働き世帯からのニーズが多い、この放課後デイサービスは法律的には2012年度に児童福祉法によって制度化された。しかし、こうした放課後デイサービスの中には、ただテレビを見せているだけといった自立支援としてのサービスとしては疑問が残るといったケースも少なくない。そこで厚生労働省が設けたのが基準の強化である。
これまで設定されてきた放課後デイサービスの基準では、子供10人につき職員2人というものが設けられていたが職員の資格は必須の条件ではなかった。そこで厚生労働省では、職員の資格として児童指導員や保育士の資格を持ち、障害福祉サービスでの勤務経験者であることを必須という基準を設定した。児童福祉という専門性に特化した職員を配置することで、放課後デイサービスの質そのものを向上することが目的となっている。もともと通常の学童保育では対応が難しい児童を預かり保育をするということなので、サービスそのものの質を高めるためには専門性の高い職員と技術力が必要となる。
放課後デイサービスへの入所を検討する保護者にとっては、デイサービスそのものの数が増えても立地条件や時間など様々な要因で入所を希望するところが限定される。サービスの質が低いところも相当数存在する現状を考えると、子供を安心して預けられないというケースも多いのではないだろうか。放課後デイサービスそのものの質が向上してくれば、どこに預けても自立支援など様々な面でフォローしてもらえるようになるため、安心して入所を申し込むことができるようになる。(編集担当:久保田雄城)