ミサワホームグループのセントスタッフは新規事業として「放課後等デイサービス」を開始した。「放課後等デイサービス」とは2012年4月に定められた児童福祉法による事業で、障害のある児童生徒が学校終了後や長期休暇中に利用する施設のことである。同社ではNPO法人ADDSと提携し、特にアスペルガー症候群や自閉症などの発達障害がある就学児童生徒を対象とした学童保育施設として埼玉県戸田市に「放課後等デイサービス ミライエ戸田」を10月にオープンする。
発達障害とひとことに言っても、症状は児童や成長過程によって大きく違ってくる。広汎性発達障害や学習障害、注意欠陥多動障害などいくつかの分類がなされるが、複数の発達障害を合併している、もしくは精神障害や知的障害を伴う場合もある。一見して気づきにくいものもあり、支援には専門的な知識が求められる。比較的近年になって認知やサポートが広がってきたという事もあり、発達障害についてどこに相談してよいか、支援を求めるべきかわからないと悩んでいる児童生徒や保護者もいるというのが現状である。
厚生労働省の調査では全国の公立小学校に通う児童生徒の約60万人が発達障害の可能性があるという結果が出ている。しかし、そのうち「放課後等デイサービス」を利用している児童生徒は15年3月時点で約9.5万人。12年に「放課後等デイサービス」の創設が認可されてから3年が経っても、その支援が充実しているとは言い難い状況のようである。
「放課後等デイサービス ミライエ戸田」は小学校1年生(6歳)から高校3年生(18歳)が対象の学童保育施設である。運営するセントスタッフは介護・保育を中心とした登録スタッフを約3,500もの介護・福祉・保育施設へ派遣、または取引をしている。提携するADDSは発達障害児の児童発達支援事業所の運営や保護者支援、支援者研修等を行っており、心理学の有資格者など専門性の高いスタッフも多い。両者が協力し、発達障害に悩む児童や保護者の支援をすることは社会的意義が非常に大きい。(編集担当:久保田雄城)