世界的な情報発信機関として知られるトムソンロイターは2018年1月17日、「Top 100グローバル・テクノロジー・リーダー2018」を発表した。日本企業ではNECやソニー、富士通などをはじめとする13社が選出されている。
「Top 100グローバル・テクノロジー・リーダー2018」は同社が今年から新設したもので、世界の5000社以上の主要テクノロジー企業を対象に、財務、経営、投資家からの信頼、リスクとレジリエンス、法令順守、イノベーション、人的・社会的責任、環境への影響、社会からの評価という8分野における計28項目のデータをもとに、同社独自のアルゴリズムにより総合的・客観的に導き出されたものだ。技術的なことはもとより、企業としての本質的な健全さと強靭さが評価されたものといえるだろう。
Top10には、マイクロソフト、インテル、シスコ、IBMなどそうそうたる企業が名を連ねており、残念ながら日本企業の社名はない。しかし、Top100に選出された企業を国別にみてみると、最多45社のアメリカに次いで、日本と台湾が13社で2位である。以下、インドの5社をはじめ、選ばれたその他10か国はそれぞれ一桁台に留まっていることを見ると大健闘といえるのではないだろうか。
トップ100に選ばれた日本企業は次の通りである。アドバンテスト・・NEC・沖電気・キャノン・シャープ・セイコーエプソン・ソニー・東京エレクトロン・フジクラ・富士通・富士フイルム・ルネサスエレクトロニクス・ローム。
そのうちの1社である沖電気は、評価項目の中でもイノベーション、環境への影響、人的・社会的責任という3つの分野において高評価を得た。同社では、IoT分野における特許出願の推進、環境廃棄物の排出量規制への継続的な取り組み、魅力ある職場づくりやダイバーシティの推進が評価されたものと見ている。
同じく、富士フイルムは、同社のコーポレートスローガン「Value from Innovation」の下、社会課題解決のための新たな価値創出に積極的に取り組んでいることなどが評価されたようだ。
またロームは、産業の仕組みや人々の暮らしなど社会全体を大きく変える可能性を秘めた概念として、今最も注目されているIoT(Internet of Things)を支える無線とセンシング技術に対する積極的な取り組みなどが評価されたとみられる。
いずれにしても、5000社以上の主要テクノロジー企業の中で、経営が最も健全で財務的に成功している企業100社の内に13社も選ばれたということは、日本としては誇るべきことだろう。技術力だけでなく、こういった信頼こそが、日本企業、ひいては日本製品の強みであり、新興国などに負けない底力なのだ。(編集担当:藤原伊織)