住宅業者に5つ星? 経産省が18年度のZEH支援事業検討内容を発表

2018年03月04日 15:38

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そもそも「ZEH(Net Zero Energy House)」とは、どのような住宅をいうのかご存知だろうか

 経済産業省資源エネルギー庁は2017年2月9日、戸建住宅におけるZEH支援事業(経済産業省及び環境省担当分)の補助制度についての検討内容を発表した。補助要件や補助額、採択方式など、検討中の内容が示された後、その中で今年度から新規にZEHビルダーに対して、5つ星での表示制度の導入も検討していることを盛り込んで注目を集めている。

 星の判定は、前年度のZEHビルダー実績の報告や目標の達成、供給する住宅のZEH割合などが評価基準となっており、エンドユーザーは業者の星の数を見るだけで、ZEHに対するその業者の取り組みがすぐに判別できるようなものになりそうだ。

 ところで、そもそも「ZEH(Net Zero Energy House)」とは、どのような住宅をいうのかご存知だろうか。

 ZEHと一口にいっても色々な種類が存在する。経済産業省などの規定では、ZEHやZEH+、Nearly ZEHなど細かく分類されており、それによって申請できる補助金額なども変わってくる。

 大まかにいえば、ZEHとは、住まいの断熱性や省エネ性能を上げ、太陽光発電などでエネルギーを創出することで、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」(ネットでゼロ)にする住宅を指す。ZEH+とは、従来のZEHよりも、ハイレベルな省エネ性能をもつ住宅のことで、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上の一次エネルギー消費量を削減する(ZEHは20%)ことのほか、外皮性能の更なる強化もしくは、高度エネルギーマネジメント、電気自動車を活用した自家消費の拡大措置の中から2つの要件を満たしたものを指す。

 ZEHに力を入れている住宅メーカーとしては、アキュラホーム、大和ハウス、へーベルハウスなどが挙げられるが、おそらくこれらの住宅メーカーは、この新しい「ZEH+」基準に合わせてくるのではないだろうか。

 例えば、アキュラホームが昨年末から3月にかけて期間限定で販売している住宅商品「MIRAI ZEH‐NEO」では、太陽光発電7.25kWを標準搭載しているほか、KDDIが提供するホームIoTサービスも導入し、より効率的で快適なZEH住宅を提案している。

 また、大和ハウスのZEH仕様住宅「スマ・エコ ゼロエナジー」もH28年省エネ基準を上回る高断熱仕様を採用し、暖冷房費を大幅に削減。「外張り断熱通気外壁」による耐久性の高さに加えて、住まう人に快適で環境への負担が少ない住まいを実現している。

 へーベルハウスでも、同社独自の耐久型断熱「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」の採用によって、とくに2階建て戸建住宅の断熱性能については、全ての商品で国の定めるZEH水準を上回っている。

 経済産業省では「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標に掲げているが、すでに標準的なZEHに関しては、多くの企業でこれを達成しつつある様子。すでに、さらに上のZEHの時代が到来しつつあるのだ。(編集担当:松田渡)