太陽光発電買取期限を踏まえた新サービスが登場

2018年01月31日 07:15

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家庭用太陽光発電システムで作った電気の買取期間が2019年から順次期限を迎える。この買取期間切れの電気についての新たなサービスの展開に住宅メーカーなど様々な企業がビジネスチャンスを検討している。

 家庭用太陽光発電は、家庭で作られた電力のうち、あまった電気を電力会社に買い取ってもらうという制度が人気を集め、多くの家庭に普及したシステムである。また、それとともにクリーンなエネルギーということもあり注目を集めた新たな発電技術でもあった。そんな太陽光発電の買取については、2009年より電力会社による買取がスタートしたものの、買取期間については10年と定められており、2019年以降買取期間が終了することになる。買取期間終了後は電力会社による買取義務はなくなるため、余剰電力の扱いについてはこれまでとは異なる方向性を考える必要がある。

 この太陽光発電の買取期間終了を見越してビジネスチャンスにつなげるという動きもある。たとえば積水ハウス<1928>では、これまで自社が販売してきた発電設備付きの住宅から余剰電力を買い取り、それを自社のエネルギーとして活用する。電力については100%再生エネルギーにすることを目指す同社では電気を買い取ってそれに充てる考えだ。電気の需要というものは年々高まっており、必要なエネルギーをどうやって確保するのか、各社とも様々な試行錯誤が続くが、こうした取り組みは新たなスタイルとして考えることができるだろう。

 また、太陽光発電でできた電力を買い取ってもらうのではなく、そのまま家庭で使うというニーズもある。それを踏まえたサービスとして、東芝<6502>の関連会社である東芝ライテックでは家庭用の蓄電池システムを販売し、発電した電気を貯めて家電製品の使用に充てる。この他にも、これまで太陽光発電システムに携わってこなかった蓄電池メーカーが新たなニーズを掘り起こすための様々な商品開発に取り組んでいる。余剰電力を今後どのように使っていくのか、ということについてはそれぞれの家庭によって考えが異なるため、さらなるビジネスチャンスが拡大するとみられている。

 太陽光発電の余剰電力の買取期間が切れることによるビジネスチャンスの拡大については、電力会社の動向も大きく関わってくる。太陽光発電システムを設置している顧客やその買取期間の情報は契約している電力会社が保有しており、その情報をどこまで公開できるか、が重要となってくる。この点については個人情報保護の方針も含め判断が難しいところであり、電力会社各社ともに検討を重ねる必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)