Windows7のシェアを2年半かけてWindows10が突破した。業務管理システムなどでWindows7は今なお根強いシェアを誇るが、Windows10のシェア拡大にはWindows7のサポートが終了することも関係している。
今やパソコンは日常生活になくてはならない存在である。家庭での活用はもとより、仕事においてはコンピュータを扱うということはもはや一般常識の範疇といえるかもしれない。そんなコンピュータの世界におけるOSのシェアとしてはやはりMicrosoftのWindowsが代表的なものとなっている。現在Windowsの最新バージョンは10だが、そのWindows10のシェアがこのたびWindows7を超えたとの情報が入ってきた。
Windowsのシェアの中で、これまで最もシェアが高いとされてきたのがWindows7である。Windows7は主にビジネスの分野で高い人気があり、業務で活用しているところが少なくない。Windows10のシェアがWindows7を超えることができなかったのも、こうしたビジネス用途で利用しているところが多かったという背景がある。Windows10は2015年にリリースされ、Windows7のアカウントを持っていれば無料でアップグレードできるという特典も用意されていたが、Windows7のシェアを超えるまでにかかった時間はおよそ2年半ということになる。
Windows10のシェアが拡大するまでに時間がかかった要因としては、ビジネス分野での活用が大きい。冒頭の説明の通り、今やどんな業務であってもコンピュータを使わないということはほとんどない。そして、そこには何らかの業務管理システムが入っている。ところがWindowsのバージョンが上がった場合、そのシステムが新しいバージョンに対応していないといったケースがある。プリンターなどの周辺機器についてもドライバソフトが対応できないため新しいOSへと移行できないといったケースもあるだろうし、これらの環境を新しいバージョンへと移行した場合のコストを抑えたいという意向もあるかもしれない。逆に家庭では家電製品の買い替えと同じようなイメージで移行が進みやすく、Windows10がWindows7のシェアを超えるまでに時間がかかった要因としてはビジネスの現場による点が大きいといえるだろう。
今回Windows10のシェアが拡大しているのは、ひとつはWindows7の延長サポートが2020年に終了するという点が関係している。業務で必要とはいえ、サポートが終了したOSをその後も使い続けることは難しいため、今のうちにアップグレードしておきたいという企業側の思惑もあることからシェアが拡大している一因ともなっている。(編集担当:久保田雄城)