森友学園への8億円の国有地値引き売却に絡み、財務省が決裁文書を改ざんしていた問題で、佐川宣寿前国税庁長官(当時の理財局長)に対する証人喚問を27日に控え、野党の議員が23日、森友学園前理事長で現在勾留されている籠池泰典氏に接見した
森友学園への8億円の国有地値引き売却に絡み、財務省が決裁文書を改ざんしていた問題で、佐川宣寿前国税庁長官(当時の理財局長)に対する証人喚問を27日に控え、野党の議員が23日、森友学園前理事長で現在勾留されている籠池泰典氏に接見した。
籠池氏は、安倍昭恵総理夫人が小学校建設予定地は「良い土地だから前に進めて」と発言したことに「間違いない」と語ったという。昭恵氏には国会で国民の疑念に答えて頂くことが必要になっている。
希望の党の今井雅人議員は籠池氏に接見後の会見で、改ざん前の文書にあった昭恵総理夫人が「(小学校建設予定地について)良い土地だから前に進めてください」と発言したとの記述通りの発言があったのかどうかの確認に、籠池氏は『確かに、そういう風に(昭恵夫人は)おっしゃっていた。それは間違いない』と言われていた」と記者団に答えた。
今井氏は「籠池氏は(昭恵総理夫人から)棟上げ式には必ず行きますからね、という話も頂いていた、というような話もされていた」と語った。
また「土地貸付の時も含めて、いろいろ昭恵さんには、こういう状況になっていますということを報告していたということだった」とも述べた。
今井議員は「籠池さんのおっしゃっていることが事実だとすれば、安倍昭恵さんには土地取引のことはずーと報告がいっていて、ご存じだったのではないかということは感じた」と接見での受け止めを語った。
接見した日本共産党の宮本岳志議員も、今井氏の発言内容のほかに「(昭恵夫人付き職員だった)谷査恵子さん(在イタリア大使館一等書記官)の名前も出たので、今日の接見を踏まえれば、谷さんからもしっかり話を聞かなければ分からないことがある」と国会で説明を求める必要があるとの考えを述べた。宮本氏は「安倍昭恵氏の国会招致は絶対必要だ」とした。
また立憲民主党の福山哲郎幹事長は、籠池氏に接見した同党の川内博史議員からの報告を受けて「籠池さんが事実を語っているかはわからない前提でお聞きいただきたい」としたうえで「改ざん前文書にあった明恵氏の『前に進めてください』という発言は、あった、と。その夜に食事も一緒にした。昭恵氏は3回講演に来ている。籠池氏から『谷さんは本件について逐一、昭恵氏に報告していたと思うし、昭恵夫人の意向を受けて面倒を見てくれていると感じていた』という発言があった」という。
この土地をめぐる問題では、日本共産党が機関紙「赤旗」(3月22日号)で「国有地格安売却疑惑が発覚した昨年2月以降、財務省近畿財務局内で、この取引が『安倍事案』と呼ばれていたことが財務局関係者の話で分かった」とし「関係者は『当初から安倍晋三首相夫妻が関わっていた案件というのは常識で、特別な扱いがされた』と証言しています」と報じていた。
安倍総理夫妻に関わる案件との認識が近畿財務局内で共有されていたことが事実なら、決裁文書から安倍総理夫妻に関する表記のすべてが削除されていた理由が分からなくもない。
一方、昭恵夫人も森友学園との土地取引に全くかかわっていないとするなら、国会で自身の言葉で国民の疑念に答えてほしいと願う。(編集担当:森高龍二)