首相秘書官は首相了解なく官邸で客とは会わない

2018年04月12日 06:18

 国家戦略特区制度を活用し、加計学園運営の岡山理科大学に獣医学部設置が認められた過程の不透明さの中で、「行政がゆがめられた」と指摘した文科省の事務方トップを務めた前川喜平前文部科学事務次官は、柳瀬唯夫総理秘書官(当時)が2015年4月2日、総理官邸で愛媛県と今治市、加計学園幹部と面会、この案件が「首相案件」としていたことを愛媛県職員が「備忘録」で記していたことを受け、11日までの記者団の問いに「2015年4月2日の時点で、すでに加計ありき、で加計隠しが始まっていたことを示す資料だ」との認識を示した。

 前川氏は「首相の意思表示がなければ『首相案件』などと絶対に言わない。首相秘書官は事前に首相の了解や指示がなければ官邸で客と会わない」とも指摘した。面会後は「首相に報告する」とも。

 柳瀬総理秘書官は、2015年4月2日に「記憶する限りでは会っていない」と記憶にないとする一方で「首相案件となっているといった具体的な話をすることはあり得ない」と完全否定。都合の悪いことは記憶にないのに、首相案件発言は完全否定できる記憶力をお持ちなのが不可解だ。

 真相究明へ柳瀬氏と藤原豊地方創生推進室次長(当時)、加計幸太郎加計学園理事長らの証人喚問は避けられない。(編集担当:森高龍二)