トヨタ自動車の北米事業体であるToyota Motor North America(TMNA)は、ミシシッピ州ブルースプリングスにあるToyota Motor Manufacturing Mississippi(TMMMS)で行われたビジター・トレーニングセンターの鍬入れ式において、1.7億米ドルを投資し工場を刷新することを発表した。
本投資は、TNGA(Toyota New Global Architecture)をベースとした新型カローラの生産に向け、より先進的な車両をより効率的に生産するとともに、市場のニーズにより適切に対応するため施策であり、現在の生産ラインを完全に刷新するものだ。
なお、TMMMSでは、TNGA導入に加え、カローラの生産量増加に対応するため、今後12か月の間に、約400名の従業員を新規に採用する。
今回の1.7億ドルの投資は、2017年初頭に発表した以後5年間における米国への100億ドルの投資計画の一環であり、これまでに発表した投資額の合計は約42.7億ドルに達している。
また、トヨタは昨年、米国事業60周年を迎え、米国社会・経済・文化に深く根差した事業活動を展開するなか、これまでの米国における直接投資額は約250億ドルにのぼる。
TMMMSの社長であるショーン・サッグス(Sean Suggs)は、「工場刷新により、さらに迅速に的確に需要に対応できるようになります。我々のチームメンバー、そしてミシシッピ州とのパートナーシップを誇りに思います。約400名の新たなチームメンバーとともに、ご愛顧くださるお客様のために、より多くのカローラをお届けできるようになることを嬉しく思います」と語った。
ミシシッピ州のフィル・ブライアント知事(Phil Bryant)は、「トヨタは10年以上にわたり、ブルースプリングス、そしてミシシッピ州の大切なパートナーであります。地域との一体感を醸成しようとするトヨタの決意は、継続的な事業への投資と地域における慈善活動に表れています。今回の投資と数百名の新規雇用は、次世代のためにブルースプリングスを発展させたいというトヨタの想いを裏付けるものです」と述べたという。
トヨタは先般、マツダと共同で、米国アラバマ州ハンツビル市において2021年より完成車生産を行なう合弁新会社「Mazda Toyota Manufacturing, U.S.A., Inc.」(MTMUS)を設立したと発表したばかり。
この発表でもトヨタとマツダが折半出資で約16億米ドルを投資する新工場では、4000名近くの従業員を新たに雇用し、2021年の稼働開始以降、マツダ・トヨタ向けの各生産ラインで、マツダが北米市場に新導入するクロスオーバーモデルとトヨタの「カローラ」を15万台ずつ生産する予定だとしていた。
なお、今回、鍬入れ式を行なったミシシッピ工場のビジター・トレーニングセンターは、2019年11月にオープンする予定だ。トヨタが全社を挙げてグローバルに取り組むクルマづくりの構造改革、とくにアメリカ市場に向けた最近の積極的な投資には目を見張るものがある。(編集担当:吉田恒)