トヨタ自動車は、2019年に「カローラ」および「レビン」のプラグインハイブリッド車(PHV)を、また2020年には「C-HR/IZOA」ベースの電気自動車(EV)を、それぞれ中国市場に導入すると発表した。
加えて、2020年までに、これらの車種を含む10の電動車を新たに中国市場に導入する計画だ。そのための電動車のコア技術であるバッテリー、インバーター、駆動系ユニットなどの中国における現地生産化を進めることにより、現地に根差した車両電動化をさらに加速させるという。
なお、4月25日より開催している北京モーターショーにおいて、中国向けの「カローラPHV」および「レビンPHV」を初披露。エンジンをまったく使わない電気だけで走るEVモードの走行距離は50km以上としており、トヨタ初の海外生産となるPHVとして、2019年より中国での現地生産を開始する予定だ。
トヨタは、従来から現地に根差した車両電動化を図るべく、2015年よりハイブリッド用トランスアクスルをトヨタ自動車(常熟)部品有限会社(TMCAP)で生産を開始するなど、電動車用主要コンポーネントの現地生産体制の構築を、現地パートナーやトヨタグループ一体となり進めてきた。今後さらに、新中源トヨタエナジーシステム有限会社(STAES)および科力美オートモーティブバッテリー有限会社(CPAB)において、ニッケル水素電池モジュールの生産能力を2020年には22万基まで増強するなど、さらなる需要増に対応する計画だ。
また、電動化の加速に向け、中国での電動車パワートレーンの現地開発・生産体制を強化する。
開発面では中国の研究開発拠点であるトヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社(TMEC)内にて、電動車のための電池パックを評価する電池試験棟が2020年に稼働させる。
生産面においても2020年のEV導入を念頭に、順次現地での生産体制を整えていく。
トヨタは2017年、現地生産のトヨタ製ハイブリッド・ユニットを搭載した「カローラハイブリッド」および「レビンハイブリッド」を含むハイブリッド車を約14万台販売、累計で約35万台を販売しており、今後もさらにそのラインナップを拡大する予定だ。
中国における燃料電池車の訴求については、2017年からトヨタの燃料電池車であるFCV「MIRAI」を利用した3年間の実証実験を開始しているほか、バスなど商用車までフィージビリティスタディの対象を拡げ、中国でのFC(燃料電池)技術の応用可能性を探っている。
トヨタの専務役員で、中国本部長である小林一弘氏は、開催されている北京モーターショーのプレスカンファレンスで、「世界で最も電動化が進むこの中国で、環境戦略を全方位で、着実に、自信を持って進めていきたい」と語った。(編集担当:吉田恒)