働き方改革関連法案 与野党攻防続く

2018年05月17日 06:13

 安倍内閣が今国会の最重要案件としている働き方改革関連法案について、政府・与党は今国会での成立を図るため、今月23日にも衆院厚生労働委員会での採決を目指し、来週中に衆院を通過させる意向が流れている。

 これに野党は反発。立憲民主党の辻元清美国対委員長は16日「言語道断だ」とし「安易な審議は容認できない」と日程ありきで審議しようとする与党の姿勢を強く非難した。

 辻元国対委員長は「自民党は政府の御用聞きではない。下請け機関に成り下がるのかということを問いたい」とも述べた。

 働き方改革関連法案を巡っては厚労省の調査データにデタラメなものなど約2割に問題があったことが判明している。厚労省は1万1575事業所で2492事業所のデータを削除したことを15日に発表した。

 これを受けて野党は法案を撤回するよう求めている。一方、政府・与党は全体に影響するものではないとして、今国会で法案を成立させる方針を変えていない。一部では「高度プロフェッショナル制度」について、本人が制度適用に同意した後でも解除できる仕組みを導入する検討に厚労省が入った、と野党の理解を得るための検討に入っているとの報道もある。

 ただ、高度プロフェッショナル制度では適用対象者が年収1075万円以上の専門職で本人が制度適用に同意することとしているものの、年収ラインが制度導入後に引き下げられる可能性も否定できず(経団連は400万円以上を対象に求めていた時期もある)、こうした懸念に対しても払拭し、担保する策が求められている。(編集担当:森高龍二)