年収1075万円以上の専門職について労働時間でなく成果で評価する「高度プロフェッショナル制度」の創設を含む政府の働き方改革関連法案が審議入りしているが、8日、立憲民主党は残業代ゼロ法案と懸念が指摘されている高度プロフェッショナル制度を外し、残業時間上限についても政府案より20時間少ない月80時間未満とするなどの対案を衆院に提出した。国民党も同日、高度プロフェッショナル制度を外した対案を同様に提出した。
菅義偉官房長官は8日の記者会見で政府提出の働き方改革関連法案について「一人ひとり実情に応じた多様な働き方を選択できる社会実現のための改革」と強調。「制度創設以来、70年ぶりの大改革になる。指摘の高度プロフェッショナル制度は高度な専門性を十分に発揮できるようにする制度で、対象者も研究者やアナリストなど、高度な技術・専門性を有する職にあり、かつ、年収1075万円以上を想定している。また、本人の同意を得た場合に限り制度が適用される」と説明した。
また関連法案は「時間外労働の上限規制に対し、違反すれば罰則が科されている」ことも強調。菅長官は「理解をいただき、今国会での成立を期したい」と述べた。
ただ、適用対象の年収については経団連が幅広く適用されるよう、年収400万円以上からの適用を求めていた経緯があり、制度導入後に対象年収ラインが引き下げられないか、危険性がないとはいえず、懸念部分を払拭するだけの担保規定が求められそう。(編集担当:森高龍二)