若者の車離れと言われてから久しい。しかし、車離れは必ずしも若者ばかりではなさそうだ。日本の人口はかつて日本列島全体に分散していたが、高度成長以後、人口は三大都市圏に集中することになり、21世紀に入って三大都市圏の人口はそれ以外の地域の合計を上回った。
都市部では公共交通が充実しており必ずしも自分の車は必要ではない。駐車場代など維持費も高く、都市部で車を所有するにはそれなりの経済力が必要だ。一方、地方では80年代より公共交通が次々と廃止され、一部3セク方式で公共交通の復活が見られるものの車なしの生活は考えられないだろう。
流通系情報サービスのプラネットが「車に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。車の所有状況については、「自分の車を利用している」が53.1%で最も多く、次いで「家族の車を利用している」21.2%という結果だった。自分もしくは家族の所有するマイカーが主流であるのには変化はない。
男女別でみると、自分の車を所有しているのは男性が66.1%で女性の32.8%を33.4ポイント上回っている。家族の車を利用しているのは、男性が11.4%で女性が36.4%と女性の方が25.0ポイント多い結果であった。
年代別に見ると、若い世代ほど「自分の車を利用している」が低く、逆に「家族の車を利用している」が高い傾向が見られる。
職業別に見ると、「自分の車を利用している」が最も高かったのは「公務員」の77.1%で、次いで「会社役員・経営者」の66.1%であった。経済的に安定している職業がやはり上位になった。公務員は地方に多いこと、また役所の事務所は交通的に不便な場所にあることも一因と考えられる。
都道府県別に見ると、「自分の車を利用している」と回答した者の割合は「東京都」「京都府」「大阪府」などの都市圏で低く、特に「東京都」では34.9%と最低値になっている。「東京都」では「車を利用していない」が46.4%と半数近い。
逆に、「車を利用していない」から逆算した「車を利用している」率をみると「福島県」96.7%、「石川県」96.9%、「三重県」95.7%などでは95%を超え、「新潟県」91.5%、「岡山県」90.9%でも90%を超えている。東京都では53.6%なのでやはり都市部と地方の交通格差は明確に存在すると言えそうだ。(編集担当:久保田雄城)