森友学園への国有地大幅値引きでの売却をめぐる問題で財務省が決裁文書を改ざん、廃棄していたことを認め「財務省理財局の幹部職員は国会審議が相当程度紛糾するのではないかと懸念し、回避する目的で改ざんを進めたものと認められる」としたうえで、改ざん・廃棄への方向を決定づけたのは佐川宣寿理財局長(当時)と断定した報告書を4日発表し、合わせて麻生太郎財務大臣が続投する考えを表明したことに、野党からは財務省による調査では不十分との意見が相次いだ。
立憲民主党の蓮舫副代表は「財務省の不祥事を財務省の調査だけでは信用できない。予算委員会での徹底審議と国政調査権による調査、佐川宣寿前理財局長の証人喚問は必須」とツイッターで発信した。
公務員の「公文書は歴史的事実の記録、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」(蓮舫氏)との認識欠如も懸念される事案だ。
社会民主党の吉川はじめ幹事長は「麻生太郎財務相は閣僚給与の12か月分の自主的返納にとどまり、安倍首相も続投を表明している」とし「典型的なトカゲのしっぽ切り」と批判。
そのうえで「麻生氏は健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源、主権者である国民が主体的に利用し得るものと法が定める公文書を改ざん・廃棄したことの悪質さ・深刻さを全く理解していない。また国有地売却で過大な値引きが行われたとすれば、税金を負担する国民に被害を与えたということの自覚もない」と指摘。
そのうえで「財務相辞任を強く求めるとともに、国権の最高機関である国会を冒涜し、主権者国民を愚弄した前代未聞の不祥事を起こした安倍内閣の総辞職を求める」との談話を発表した。(編集担当:森高龍二)