トヨタは、2016年末にコースターを24年ぶりにフルモデルチェンジし、全国の正規ディーラーを通じて、2017年1月23日に発売した。
コースターはトヨタ車のなかでも歴史のあるモデルであり、25人程度の乗員が快適に乗ることができる小型バス需要の高まりを受け、1963年にライトバスとして誕生。1969年のモデルチェンジを機にコースターと改称し、50年以上生産されている。
歴代モデルは、世界の様々な地域で人の移動を支え、現在では110以上の国や地域で販売し、累計販売台数は55万台以上となっている。日本でも、飲食店やホテル、幼稚園の送迎、放送局や出版社のロケバスなど、多様なシーンで活躍している小型バスだ。
1993年発売の先代モデル(3代目)は、高い信頼性で評価されていた。が、一方で、新しいデザイン、安全装備の充実などが求められていた。また、観光ビジネスの活性化などで小型バス需要の伸びも見込まれることから、一昨年のフルモデルチェンジでは、「安全機能の充実」「快適性向上」「次世代の小型バスに相応しいデザイン」「信頼性の高いクルマ」の観点から新設計された。
また、新型は、2016年4月に発足した商用車の開発から生産を一貫して行う「CV Company」が担当する初のフルモデルチェンジ車だった。CV Companyは、こうした「世Commercial Vehicle」を担当する社内カンパニーだ。
今回の一部改良では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備したことが大きなポイント。また、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)を標準装備し、利便性を高め、大型化した電動格納式補助ステップを設定し、スムーズ乗降性を採り入れた。同時に、全車ウィンドシールド両サイドにレインガーターモールを設定し、フロントピラーの段差を少なくすることで、空力性能を向上させ操縦安定性を高めた。
衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」は、ミリ波レーダーと単眼カメラの異なる2つのセンサーにより、高い認識性能と信頼性を両立。プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼]検知機能付)、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームの3つの先進安全機能を組み合わせ、衝突回避や衝突時の被害軽減をサポートするシステムだ。(編集担当:吉田恒)