基本計画閣議決定も原発ゼロ基本法案審議すべき

2018年07月04日 07:26

 政府は3日、『新しいエネルギー基本計画』を閣議決定した。計画では2030年に電力供給全体のうちに占める再生可能エネルギーの比率を震災前の10%から「22~24%」に増やすことを目指すとする一方、原発について震災前の25%に比べ、30年でも「22~20%」と依存率は微減。実質、10年先も原発を保証する内容になっている。化石燃料は震災前の65%を30年に56%にまで下げることを目指すとしている。

 政府によると今でも日本には約1万8000トンの使用済燃料があり、既に再処理された分も合わせると『ガラス固化体で約2万5000本相当の高レベル放射性廃棄物』を抱えている。

 最終処分については放射性廃棄物最終処分制度の創設から15年以上の今も処分地選定調査にさえ着手できないでいる。このような状態でこのまま原発を認めてよいのか、野党が国会に提出している「原発ゼロ基本法案」の審議を通じて、原発やエネルギーの在り方を国会の場で改めて議論し、深化させることが求められている。

 政府は今回の基本計画で「原発の廃炉等に伴って生じる放射性廃棄物の処理・処分については低レベル放射性廃棄物も含め、発生者責任の原則の下、原子力事業者等が処分場確保に向けた取り組みを着実に進めることを基本としつつ、処分の円滑な実現に向け、国として、規制環境を整える。また必要な研究開発を推進。廃炉が円滑かつ安全に行われるよう、廃炉の工程において必要な技術開発や人材の確保などについても引き続き推進していく」とした。

 また高レベル放射性廃棄物について「国が前面に立って最終処分に向けた取り組みを進める。2017年7月に最終処分に係る『科学的特性マップ』を公表した。国民の理解・地域理解を深めていくための取り組みを一層強化する」とした。(編集担当:森高龍二)