臨時国会召集要求に30日以内の開会法制化など

2018年07月18日 18:07

 立憲民主党は17日、臨時国会召集要求があった場合、30日以内に開会することを法制化することなど「国会改革」への18項目からなる提言をまとめた。福山哲郎幹事長は「強い国会、監視機能がしっかり働く国会を目指すという思いでまとめた」と述べた。

 これまでの国会で明らかになった財務省の虚偽答弁、決裁文書の改ざん、参考人招致決定の壁、強引な審議打ち切り、臨時国会召集を求めても総理のご都合主義で開催されなかった経緯、党首討論の実効の薄さなども踏まえた改革にもなっている。

 提言では(1)国会招致の政府参考人の範囲を拡大すること(問題案件の関係者を政府参考人として国会に呼ぼうとしても、慣行を盾に与党が拒否し、疑惑の解明が進まないケースが多発した。首相補佐官や首相秘書官を政府参考人として呼べないのは問題。権限を有する者には説明責任があり、疑惑解明に必要とあれば官邸の幹部公務員、事務次官、事件当時の担当者なども国会に政府参考人として招致すべき。民間人ならまだしも行政官であれば国会招致を拒む理由はない。政府参考人の範囲を広げる必要がある)。

(2)国会における虚偽答弁・国会提出資料の改ざん・ねつ造防止策(野党提出の公文書管理法改正案を早期成立させる。国会における虚偽答弁や国会提出資料の改ざん・ねつ造を行った行政官に対する罰則を強化する。政府から独立性の高い公文書管理機関を創設する)。

(3)議員提出法案の審議活性化、国会審議を通じた法案修正の活性化を図る(委員会ごとに議員提出法案の質疑のための定例日=例:毎週金曜日=を設け、主に野党提出法案の審議を行う。野党の議員提出法案の審議にあたっては与党議員にも十分な質疑時間を確保し、与野党の議員間で活発な政策論議ができるよう配慮する)。

(4)国会の資料要求の適正化を図る(現状では委員会理事会において政府に資料を要求しようとしても、与党理事が反対すれば資料を要求できない。理事会において理事から資料要求があれば、資料提出に応じることとする)。

(5)予算委員会委員長ポストには野党議員を就任させる(ドイツ議会には予算委員会の委員長は野党会派所属議員を充てる慣例がある)。

(6)国会に防衛監察委員(防衛オンブズマン)制度を創設する(防衛省・自衛隊の監視を強化するため、両院合同の防衛監察委員制度を創設する。自衛隊員の自殺や自衛隊内のいじめ等が報告されるなか、自衛隊員の人権を守り、自衛隊内の規律を維持するため、防衛監察委員が中立的な立場から調査や査察を行う。防衛監察委員は自衛隊員他からの苦情や請願の受け付け、安全保障委員会への勧告、年次報告書の作成等にあたる)。

(7)党首討論の時間を45分でなく2時間程度にする(45分の質疑時間を複数の野党で分けあう現状では、党首討論では実のある論戦は期待しがたい。参議院で行われている質疑の「片道方式」を導入する。予算委員会等に総理が出席しない週は必ず党首討論を実施するといった措置を講じる)。

(8)臨時国会召集の要求があった場合30日以内に臨時国会を開会することを法制化する。

(9)国会歳出削減で委員長手当てを廃止する(開会中1日6000円支給。年間3000~4000万円程度削減できる)など18項目を提案している。

 山内康一国対委員長代理は「国民が見ている場で議論し議事録に残すこと自体、価値がある。例えば今年、原発ゼロ基本法を作った。超党派で議論してもらいたい、それに対する自民党議員の意見も公の場で言ってほしい。自民党がどう思っているのかをオープンな場で議論すること自体に価値がある」と公の場で議論することで改革の前進に繋がることを期待した。(編集担当:森高龍二)