ふるさと納税、高い伸びを維持。控除額37%増、人数で30%増

2018年08月08日 06:45

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総務省が「ふるさと納税に関する現況調査結果」を公表。2018年度課税における控除額は2448億円で対前年度比1.37倍、適用者数は296万人で1.30倍。16年度より高い増加傾向を維持。

 現在、日本は緩やかな景気回復局面にある。その影響か、ふるさと納税の推移も堅調なようだ。総務省自治税務局が先月27日、「ふるさと納税に関する現況調査結果」を公表している。これは全国自治体の平成30年度課税(2017年所得分)データに基づき、個人住民税の寄附金税額控除が適用されたケースをふるさと納税と定義し、集計した結果である。

 平成30年度課税におけるふるさと納税額は3481億円で、この対前年比は約1.36倍、控除額は約2448億円で同約1.37倍、控除適用者数は約296万人で約1.30倍となっており、納税額、控除額、人数ともに30%以上の大幅な伸びとなっている。

 人数で中期的な推移を見ると、12年度が74万人、13年度が11万人、14年度が13万人、15年度が44万人、16年度が330万人、17年度が227万人、そして18年度が296万人となっており、13年度以降上昇傾向で推移しているが、特に16年度以降は大きい増加数、増加率で推移している。

 この増加の背景については、この資料からは分析できないが、自治体関係者からは「返礼品の充実」など自治体の創意工夫や努力によるものとの意見も出ている。マクロ経済との関連で考えると株価の上昇とは相関していないようだ。16年度から大きく増加傾向になっているのを考慮すると世界経済の回復に伴う国内景気の回復と相関しているようにも見える。

 また、この時期は地方から都会へ移住して来た者が多い団塊の世代が70歳近くに達し、リタイヤや終活を始めだした時期とも重なる。資産にゆとりのあるこの世代がふるさと納税に積極的になったという仮説も成り立つ。

 都道府県別にふるさと納税した者の居住地をみると、東京都が63万8405人、納税額931億円で最も多く、次いで神奈川県の31万6128人で納税額は354億円、大阪府の27万2355人、同293億円、愛知県の21万6035人、同249億円と続く。概ね居住人口に比例したランキングとなっているが、神奈川県の比率が多少多めになっているようだ。

 納税先の自治体についてはこの資料からは知ることはできないが、16年度までの資料で見ると都道府県別では北海道が近年1位を維持している。市町村別では宮崎県都城市が15年度からトップに躍り出ており、この理由については「肉と焼酎」を基本コンセプトにした返礼品の充実にあると言われている。自治体のイメージ戦略も大きな効果を発揮しているというのも事実のようだ。(編集担当:久保田雄城)