自民党に正面から対峙できる「核」となる政党は立憲民主党を置いてない。ゆえにブレないことが重要だ。ブレて利するのは自民、公明、維新のみ。来夏の参院選に向け、求心力を高めること、全国都道府県に支部を置く取り組みを着実にすすめることが一番大事だ。
立憲民主党の枝野幸男代表が、来夏の参院選挙で野党との共同選対本部を設置する考えを国民民主党の玉木雄一郎共同代表が有していることに、立憲民主党として応じない姿勢を示していることを評価したい。
枝野代表は「比例代表や定員2人以上の複数区では切磋して戦う」と政党の政策を有権者に問う姿勢を示している。先の衆院選での立ち位置から少しも変わっていない。
1人区も「政党と候補者調整はしない」とし「自民党の候補者を倒してほしいと思っている市民と連携する中で、結果的に候補を1人に絞っていく」との考えを示している。
「国民の日常の暮らし、現場のリアルな声に根ざした、ボトムアップの政治を実現する」(枝野代表)として生まれた政党だ。今回の枝野代表の参院選に対する姿勢でも『草の根からの民主主義』構築へ強い姿勢がうかがえる。この精神を崩さないかぎり、自民党に対峙できる政党に成長するだろう。
野党との関係では、「原発ゼロ基本法案」のように、明確に目指す目標が同様なものは今後も共同歩調を期待したい。
日本共産党は志位和夫委員長の下で、理想は理想として追い続けながらも、相当、現実路線を歩んでいる。無党派層から支持者が増えている最大要因はそこにある。国会でのチェック機能は森友学園を巡る問題、加計学園獣医学部新設を巡る深い疑惑、財務省決裁文書の改ざん問題など、報道機関以上に情報収集能力と分析力の高さが示されてきた。
立憲民主党は連携できるところはこれまで以上に連携を図っていくべきだろう。自由党、社会民主党との連携も図れる部分、図るべき。国民民主党は筆者にはどういう政党か、どちらに向かっているのか、目指す社会の姿が正直分からない。世論調査で政党支持率が1%を割っているのも、その為だろう、と感じている。
日本の議会制民主主義は安倍一強の下で相当危機的な状況にある。自民党に修正能力があるのか、9月の党総裁選での安倍晋三総裁と元幹事長の石破茂氏との一騎打ちでも、安倍支持派は政策論争の機会を極力回避する姿勢との報道が相次いでいる。
自民の総裁選挙は総理選挙でもある現況からは、憲法改正、経済政策、外交などテーマごとに両氏が公開で徹底討論することが国民のためになることであり、公開討論を規模している石破氏の為ではない。公開討論の機会を複数回、必ず設けるべきだ。それさえできない政党なら、政権政党に相応しくない政党と判断せざるを得ないのではなだろうか。(編集担当:森高龍二)