会社で昼寝 企業にじわり浸透

2018年09月12日 06:47

画・会社で昼寝 企業にじわり浸透

社員の業務の効率を上げてもらうために、昼寝を仕事のサイクルに組み込んでいる企業も出てきている。まだまだ導入している企業は多くないが、今後その効果が認知されるにしたがって増えていくだろう。

 日本では寝る間を惜しんで仕事をすることが美徳とされてきたが、そうした習慣にも変化が生じるかもしれない。というのも社員の業務の効率を上げてもらうために、昼寝を仕事のサイクルに組み込んでいる企業も出てきているからだ。昼寝にはあまり知られていない効果も期待できるため、今後昼寝を導入する企業が増える可能性もある。

 人間にはサーカディアンリズムと呼ばれる体内時計があり、およそ24時間を周期としている。この体内時計の影響により、午後の早い時間帯、つまり食後の13時や14時などは特に眠気を催す時間帯となる。眠気を押し殺しながら業務を続けても効率は上がらないため、世界の大企業の中には、この時間帯に短時間の昼寝を推奨するところもあるほどだ。さらに日本国内でも厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針」が一新され、短い睡眠が午後の業務の効率を高めることが周知されつつある。午後の眠気と戦っているビジネスパーソンには必見の内容だ。

 実際昼寝を短時間行うことには大きな効果がある。米国のNASAで行われた研究では、短時間の昼寝によって仕事の効率は34パーセント高まり、注意力も54パーセント上昇したという結果が出ている。加えて昼寝によって想像力が高まるという効果も期待されている。そのため国内ではIT企業、デザイン・エンターテインメント業界で広く昼寝が導入されているのだ。とはいえ、ただ眠ればよいというわけではない。効果的な昼寝にはいくつかのルールがある。まず昼寝の時間は20分以内にする。昼寝の前にコーヒーなどカフェインを摂っておくと総会に目覚められるだろう。横になれる場所がない場合は、椅子に座った状態でも問題ない。さらに言えば実際に眠らなくても目を閉じているだけでもある程度の効果が得られる。目が覚めたらストレッチなどで体も目覚めさせることが重要だ。

 こうした昼寝によって午後の業務を効率よく行うことが可能になる。まだまだ導入している企業は多くないが、今後その効果が認知されるにしたがって増えていくだろう。将来的には昼食後に昼寝をするのが当たり前の社会になっていくのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)